小規模な法人経営者のインデックス投資、つみたてNISA、iDeCoなど

今回は、企業経営者からの質問という事で、一般受けするものではないかもしれません。奥様やお子様も含めて、つみたてNISA、iDeCo、ジュニアNISAの積み立てを「最適化したい」とのご要望です。


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非課税枠を使った積み立て投資を考えています

2018年2月:AUさま(男性・30代)からのご連絡

はじめまして。突然のメッセージ送信で恐れ入ります。

今年から、積立を色々と考えており、考えれば考えるほど どつぼにはまって悩んでしまったため、一度頭をスッキリさせたいと思って、詳しい方にご相談できないかと思い、お送りさせていただきました。家族構成としてはこのような感じです。

・私 / 30代後半:会社経営(1人法人の代表です)
・妻 / 30代後半:会社員
・子 / 2歳





元々は、長年フリーランスで仕事をしてきたのですが、色々あって、法人成りをし、少し経営も安定という程ではないですが、ある程度の見通しも立ちつつあるので、個人に支払っている役員報酬の使い道があまり無いと言うこともあり、積立投信含めた、色々投資に回そうと考えていたのが始まりです。

ちょうど、2018年から積立ニーサが始まった事もあり、非課税運営ができるのであれば、これを主に活用すればいいと思って計画を練っていました。

ただ、本業がありこちらが割と忙しいという事もあって、基本は放置気味で運用ができるというところに、重きを置いて考えています。

前置きが非常に長く申し訳ないのですが、そこでご相談というのが、今回考えているのが、毎月だいたい10万~12万(年間120万~150万)ほど積立ていければと考えています。

基本は仕事をメインで今後もやりつつ、銀行口座に眠っている、使い道があまりない自分の役員報酬を積み立てて、放置でいければというのが基本路線です。

年末年始で色々と投資信託やインデックス投資の事を本や御ブログ含め、色々と読みあさって勉強したのですが、本業がある以上、そちらをメインにし、かつ今から積立投資始めるため、どうせなら制度を賢く使って、非課税枠でなるべくいければと思っています。この時、非課税のみでいこうと思うと、下記が選択肢になるかと思います。

・私の積立NISA(年間40万)
・妻の積立NISA(年間40万)
・子のジュニアNISA(年間80万)
・妻のiDeCo(年間27.6万)


※私のiDeCoは自分の法人が法人成して、あまり法務的な仕組みがきちんと整っていない事もあり使わない方向です。

ただ、こういったNISA系などを使っていこうと思うと、非課税枠があるためインデックス投資でよく言われる、個別銘柄を複数組み合わせて投資し、定期的に見直してのリバランスといった事は難しいと思っています。

そのため、色々考えた結果、バランスファンドを複数組み合わせていけば リバランスを自分でする必要もなく、かつ非課税枠内での投資にしながらも 基本放置で自動積立でいけるのではないかと考えています。(ここまでは、考え方として合ってますでしょうか?)

色々考えたりした結果、自分の中で、いわゆるアセットアロケーションなどを考えてみたところ、前提というか、考え方としては

・30代後半のため、60まではまだそこそこの期間があり株式中心に
・ハイリスク・ハイリターンよりは、ミドルリスク・ミドルリターンくらいを狙いたい
・暴落時などのメンタルは投資歴自体は長くリーマンショックも経験したり、仕事が軌道に乗った事、妻の給与で最低生活金額の数年分は既にあり、昨今の仮想通貨も少し行っているので、【おそらく】大丈夫かと考えられる
・積立額は基本使い道のないお金(ただの貯金)



生活費は別で貯蓄も別で行ってるあたりを前提に考えて、月の積立が12万ずつとして考えると、

eMAXIS SLIM バランス8資産均等型(4万円)⇒いったん全分野に等分割
楽天・全世界株式インデックス・ファンド(4万円)⇒米国中心に株式の比率を高める
ひふみ投信(2万円)
⇒8対2のコアサテライトじゃないですが、日本の株式の比率をこれで少し高め、アクティブ運用で成果の出てるひふみで少しリターンを求めていく。ただ、今の運用益が続く可能性は低いので、額は少し控えめのインデックス:アクティブが8:2
現金として保持⇒暴落時の追加投資用のストック的なものとして(2万円/月)

という流れでいけば、自分の考えの元でいけるのかな?とも思っています。一応、上記での配分や割合などを、自分の考えなどで合わせてみて、ツールなどで確認してみたりすると

・日本株式:28.3%
・先進国株:37.8%
・新興国株:8.9%
・日本国債:5.0%
・先進国債:5.0%
・新興国債:5.0%
・日本REIT:5.0%
・先進REIT:5.0%


というイメージになります。基本的な自分の考えとして、この流れでOKとなれば、選んだインデックスファンドは手数料も低く、おそらく他が手数料値下げできたとしても乗り換えするほどの事はないと思うので、あとはもう無心で自動積立だけしていき、年に1度のレポートだけ確認するという流れでいこうと思っています。

そこでお聞きしたかったのが、 そもそも、この前提となるアセットアロケーションや銘柄選びに問題はないか (リスクの考え方や色々な考え方で正解がないのは十分理解したのですが、そもそも前提となる考え方がおかしかったり、違っていたりしないかといったところを確認したい次第です) 、また、これでもし全然問題なさそうとなった場合、

・私の積立NISA(年間40万)
・妻の積立NISA(年間40万)
・子のジュニアNISA(年間80万)
・妻のiDeCo(年間27.6万)



これにどう振り分けていくのが良いのかというのも、また悩ましいなと思ってます。

個人的な優先順位としては、積立NISA×2個は、最優先で使おうと考えています。残りをジュニアNISAに回せば、そのまま3つのNISAを使って行くという事でいったん解決できるかと思うのですが、妻のiDeCoも使うとなると、4つの口座を使う事になり、税金面では優遇があるかもしれないけれど、その分だけ管理が煩雑になるかとも懸念しています。

また、複数使っていった場合、引き出し可能の是非、非課税での投資期間の長さの違いなどもあり、上記の銘柄3つで行こうと考えていたとしても、どこの証券口座に どの銘柄を、毎月いくら積み立てていくかという振り分けも非常にややこしくなりそうだなーと考えています。

色々考えて、ずっと色々なブログで探して見たりしているのですが 多くが、ニーサ口座の違い!という解説か、積立NISAはこの銘柄といった記事が多く 当たり前かもしれませんが、あまりこれらを全部使ってこうやって運用してる、こういうやり方が良いよといった記事は見つからない状況です。

そのため、今回、ご相談できればと思ってお送りさせていただきました。長文で申し訳ございません。一度、何かおすすめな方法や別の視点などでも構いませんのでご教授いただければ幸いです。



 


ご回答:全体的に、戦略を再考する必要があると感じます

AUさま、この度はご質問ありがとうございます。全体的に特段の問題点は無いように見受けられますが、よくよく見ると、再検討すべきところが多数みられました。特に修正が必要だと思った部分を、以下に記したいと思います。

ミドルリスクミドルリターンを狙う、という部分に関して

今回お考えになったアセットアロケーションを拝見してすぐに感じたのは、これは全くハイリスクハイリターンだという点です。リスクを低減させるには、安全資産である債券クラスを、思ったよりも多めに配分してやる必要があります。

しかしながらAUさまのアセットアロケーションには、債券クラスがたったの15%しか入っていません。しかもそのうち10%は外国債券ですから為替リスクはありますし、新興国債券などは株式に近いくらいの値動き(リスク)があります。

今回、資産配分比率を出すところまでは計算したものの、もしかしたらその後の最も重要な、リスクに対するチェックを欠いてしまったのではないでしょうか?

アセットアロケーションの決め方の具体例、及び投資信託のリスクとリターンを具体的にチェックの2つのページ(Q&A回答ページ)をお読みいただいて、ご自身がどの程度のリスクを抱えた資産運用になるのか、再度確認してみて下さい。

また、リスクの把握方法について、10代の若き女性から投資のリスク許容度の質問が来たを読んで頂くと、リスクの把握の仕方を簡易的にチェックする事ができます。

いくら一時的に利益を出したとしても、20年30年と投資をする中で絶対必ずやってくる「暴落」相場の時に、投資から退場してしまっては何の意味もありません。最悪の事態を計算してみて、ご自身が耐えきる事ができるのかどうか、イメージをしておきましょう。

20年後くらい、投資元本が2000万円を超えた時に、リーマンショック級の大暴落が来た時の事などをイメージすると世かもしれません。

ただし、今回の株式中心のアセットアロケーションがAU様にとって「これこそミドルリスクミドルリターンである」という事なのであれば、それはそれで問題無いのかもしれません。



「バランスファンド2つ+個別ファンド1つ」の組み合わせに関して

これに関しては、リバランス作業を省略して、投資というものに余計な首を突っ込む面倒さから解放されますので、良いと思います。

ただし、10年単位で長期投資をしていると、2つのバランスファンドのリターンは当然変わってきますから、多少は当初の資産配分比率からズレてきます。それぞれのバランスファンドの買い付け金額を増減させてやる事により、そのズレをなるべく緩和させるようにして下さい。

また、その状態のところにひふみ投信を入れ込むと、余計に資産配分比率はズレます。

となると、バランスファンド2つと個別のファンド1つのアセットアロケーションを調整する必要が出てきますから、個別のファンドをリバランスするほうがよほどシンプルで簡単だと思います

インデックス投資の未経験者はリバランス作業を難解なものだと思っているようですが、実は極めて簡単です。アセットアロケーションを考える事に比べたら、ほとんど何も思い悩む事が無いほど簡単です。また、5年に1度でも10年に1度でも構いません。

特に、iDeCo口座ではスイッチングしても手数料は無料ですし、NISAのように非課税枠を使ってしまう事もないので、超絶便利にリバランスができます。

もしもどうしてもリバランス作業を最低限に抑えたい場合は、国内外のREITと新興国債券などは外しても何ら問題ありませんので、それ以外の主要な資産クラス5つで、アセットアロケーションを構築してみてはいかがでしょうか。


つみたてNISAよりも小規模企業共済のほうがよほど優先

さてところで、個人企業の役員をやっていて役員報酬の使い道に困っているならば、つみたてNISAなどにお金を突っ込むよりも、断然、小規模企業共済を活用するのが第一だと思います。

企業経営をすると銀行との付き合いは必ず考えるべきでしょうし、その際に企業の決算書と役員の確定申告書類を銀行に提出する必要があります。

その時に、つみたてNISAにいくらお金を突っ込んだところで、それは「全て無くなる可能性のあるお金」と認識されます。銀行員の心証が良くなる訳ではありません。

それに対して、小規模企業共済は簿外の資産として認識されます。しかも月額7万円もの多額のお金が全額、小規模企業共済等掛金控除として認められますので、非常に大きな節税効果があります。

零細企業の節税


いくらつみたてNISAを使ったところで、毎年支払う税金がかなりの程度安くなるという効果は全くありません。NISAは利益が出て初めて節税効果が得られるのに対して、小規模企業共済は毎年必ず、絶対に節税効果が得られます。

これはiDeCoについても同様であり、小規模企業共済とiDeCoの併用で、役員報酬の金額によっては、毎年ほとんど所得税・住民税を支払わなくて済むという「極楽」状態になります。私もここ数年、社会保険料以外の税金をほとんど支払っていません。

小規模企業共済は一定期間経てば解約しても元本割れしませんし取り崩しができます。あるいは、有利な条件で共済からの借り入れをする事まで可能になります。この点も明らかなメリットと言えます。

iDeCoに関しては、掛け金は老後にならないと戻ってきませんので、個人事業を営む者が資金ショートの可能性も念頭置いた場合は、全額利用するのではなくて、一部の利用にとどめておくといった事でも良いと思います。

この場合、残りの資金をつみたてNISAに回すのはアリでしょう。銀行を強く意識する場合は、単に融資先銀行に預け入れておくだけでも良いかと思います。(企業経営の場合は、金利など気にしてはいけません、あくまで融資先銀行との付き合い優先です)

付き合いという意味では、小規模企業共済の掛け金の引き落としはその銀行にすべきですし、iDeCoに関しても、その銀行のiDeCo口座を利用しましょう。NISAもラインナップにあれば、銀行を利用しても良いと思います。

更に、どうせ使わないお金があって、無駄に役員報酬を高くするだけのものなのであれば、役員報酬を削ってでも、法人として倒産防止共済を使うべきでしょう。掛け金が月額20万円、経費として計上できますから、法人の強力な節税の武器になります。

従って今回、AUさまの場合、以下の優先順位を付けるのがよろしいかと存じます。上から、出せる資金の分をそこに投じれば良いでしょう。

1.ご自身の小規模企業共済:年84万円
1+α(倒産防止共済も検討):年最大240万円
2.ご自身のiDeCo:年27.6万円
3.奥様のiDeCo:年27.6万円
4.つみたてNISA(ご自身及び奥様):年40万円
5.ジュニアNISA:年80万円
合計・・・約300万円(+αで上乗せ)



ちなみに私の場合、生命保険料控除を活用して、更には銀行との付き合いも考慮して、一般的ではない商品の「米ドル建て個人年金保険」の積み立てもやり始めています。

優先順位の1番に小規模企業共済や倒産防止共済が入って来たり、通常はボッタクリ金融商品も買ったりするのは、一般的なサラリーマンを対象にしている世の中の情報とは少々違ってきます。この点を踏まえて、柔軟に対処していきましょう。

追記資産配分比率や投資商品の検討の具体例(質問者様からの追加のご質問と回答)





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