「ベンチマークとの乖離」問題はどのくらい気にする必要があるのか?

今回は、老後の資産形成に向けて、今まさに長期投資の旅に出ようかと考えておられる20代の男性の方からのお便りです。「ベンチマークとの乖離」・・・インデックス投資をする時にときおり目にする、普段の生活では出て来ない難解な言葉に関してのご質問です。


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乖離がどの程度重大なのか分からず、ファンドを選び直そうか悩んでいます

2018年2月:GWさま(男性・20代)からのご連絡

初めまして。いつも楽しく拝見しています。29歳になり、子育て・老後に向けて資産運用をしたいと考え、イデコつみたてNISAネット銀行で定期預金(3年500万円)を近々始める予定です。

そこでベンチマークとの乖離について質問なのですが、イデコとつみたてNISAで以下の商品を予定しています。

ベンチマークとの乖離問題


●イデコ

ニッセイ外国株式インデックスファンド:7000円
三井住友DCつみたてNISA日本株インデックスファンド:5000円

●つみたてNISA

楽天全米株式インデックスファンド:13000円
楽天全世界株式インデックスファンド:20000円


しかし、最近「ニッセイ外国株式インデックスファンド」がベンチマークから乖離する事案があったとの記事を読みました。投資信託初心者なので、この乖離がどの程度重大なのか分からず、ファンドを選び直そうか悩んでいます

もし、ファンドを選び直すなら、イデコをニッセイ外国株式7000円→ifreeNYダウインデックスファンド7000円に変更つみたてNISAを楽天全米インデックス12000円→6000円に変更、eMAXISSlim先進国株式インデックス7000円を追加しようかと考えています。

初心者でまだ勉強不足なため、基本的な質問でしたらすみません。お手数ですが、ご回答お待ちしています。



ご回答:乖離はマニアが気にするもの、質問者様のリスクの方がよほど怖いです

この度はご質問をいただきまして、ありがとうございました。以下の通りご回答差し上げますので、どうぞお目を通していただければと思います。

ベンチマークとの乖離は、普通の人が気にする事ではありません

さて今回の件、ベンチマークとの乖離についてです。<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンドのベンチマークとの乖離問題については、ニッセイ<購入・換金手数料なし>シリーズのページで言及していますので、まずはご覧ください。

結論から申し上げますと、投資のマニア以外は、そこまで気にしなくても良いと私は思います。確かに突き詰めて言えば損得に関わる事ではありますが、あくまでも投資マニアが趣味でワーワー言っているような話しです。

もしも少しでも気になるのであれば、投資先口座に代替えとなるようなファンドが有る場合には、その代替えファンドを選んでおけば良いでしょう。

ちなみに、ベンチマークとの乖離については、あいにく楽天バンガードファンドシリーズについても同様の問題が懸念されています。しかし楽天バンガードシリーズは商品コンセプトが投資家ウケしているので、むしろもてはやされている風潮にあるくらいです。

乖離問題がそこまで「重大」なのであれば、いくら商品が魅力的に見えても手厳しい投資家は決して許さないはずですので、その意味からしても一般的には大した問題ではないのです。


乖離を気にするよりも、リスク耐性のあるアセットアロケーションの構築を

ところで、今回私がベンチマークとの乖離問題よりもはるかに気になった点があります。それは、GWさまは商品選びばかりを気にするあまり、全くアセットアロケーションの事を考えていないのではないかという点です。

ベンチマークとの乖離などの取るに足らない問題に比べると、アセットアロケーションをきちんと構築しているか否かは、比較にならないほど重大な問題です。

今回、イデコとつみたてNISAで株式ファンドばかりを積み立てる計画を立てているようですが、株式は価格変動(=リスク)が大きく、昨今のように相場が絶好調の時は良いですが、いざ下落相場にでもなれば、あっという間に酷いマイナスに転落する事になります。

下落相場と上昇相場


特に、リーマンショック並みの大暴落がやってきたら、平気で4割~6割程度の元本割れが生じます。時間をかけてコツコツと積み上げてきた1000万円が、わずか数日~数週間で500万円以下になったら、投資初心者のGWさまは、耐えられるのでしょうか?

暴落は誰も防ぐことはできませんが、暴落の影響を「緩和」する事は可能です。仮にGWさまがアセットアロケーションをしっかりと考え、国内債券などの安全資産の割合が半分だったとしたら、資産全体の損失額は約半分の、250万円程度に抑えられることになります。

GWさまのリスク許容度にもよりますが、500万だったら耐えられなかったとすると、一番底値の大損失のところで相場から逃げ出して、まさに悪夢のような「損失確定」になるのです。投資にありがちな「コツコツドカン」であり、10年単位の投資が完全に無駄になります。

実際、リーマンショックの時は、そんな人ばかりになりました。生き残った人は、常日頃から自分のリスク許容度と向き合っていた人たちでした。

ただし今回、500万円の定期預金を安全資産の代替えとして(この場合は無リスク資産)認識されておられるのであれば、そんなにも大きな問題ではないかもしれません。

あくまでもどうお考えで今の資産配分にしているかが大きく、定期預金を安全資産の代替えと認識していなければ、おそらく大暴落の時は泡食って逃げ出して損失確定になるのかと思います。

以上、かなり警告のような事を書かせていただきましたが、この件はちょうど先日書きましたリスクを無視して投資信託を選んではならない事例でも同様の事を申し上げています。

どうぞ該当ページをよく読んで頂きまして、参考リンクなどにも必ず目を通していただきながら、しっかりとリスクと向き合ったアセットアロケーションを構築して頂ければと思います。

ベンチマークとの乖離問題などを気にするとしたら、そのような重大な問題をクリアして、更には実際に積み立て投資などをやってみてからではないかと思います。それこそ、リバランスの時にファンドを変更すれば良いだけです。


ただし、アクティファンドの「ベンチマークとの乖離」は非常に重要

以上が回答になりますが、ちょっと付け加えると、アクティファンドに投資する時だけは、ベンチマークとの乖離は非常に重要視してください。

アクティブファンドは高いコストを支払う代わりに、市場の平均値、すなわちベンチマークに対して上回る乖離をして頂かないと投資している意味が全くなくなるからです。

上方乖離する分には「アクティブ投資は成功」となりますが、一方で、アクティブファンドの大半はベンチマークよりも下方乖離します。

それが有るのか無いのかだけは、アクティファンドに投資する時には年に1回は確認して、もしも下方乖離に対して納得できる説明が無い場合は、投資資金をドライに引き上げるべきではないかと思います。

インデックスファンドがベンチマークに下方乖離したといっても「虫眼鏡で見なければ分からないレベル」なのに対して、アクティブファンドの下方乖離などはインデックスファンドとリターン比較すれば一瞬で分かるレベルになります。

投資のマニアを自認するような偏執病的な人でなければ・笑、ベンチマークと対比するのはアクティファンドに投資する時だけで十分です。

参考アクティブファンドのおすすめはコチラ





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