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低リスク低リターンの資産クラスに投資することの重要性について

今回のご質問は、投資を始めるにあたり、ほとんど全ての人が感じる疑問なのではないかと思います。私も、投資というのはそのようなものだと思っていました。

もちろん投資は十人十色ですので、そいういった投資でも全く構いませんが、リスクをコントロールできるのならば、それをやるに越した事は無いのです。


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リターンが低いものに投資する重要性が分かりません

2018年2月:ルーペさま(男性・40代)からのご連絡

こんにちは。これから投資信託を始めようとしている者です。一つ質問させて下さい。

過去に”10代女性の質問”に対し、ポートフォリオを作成する助言をされていましたが、このポートフォリオの重要性、というかリターンが低いものに投資することの重要性がまだよく分かっていません




上記の ”10代女性の質問” の解説のところですが、急落のところを私のこれから行う投資内容でシミュレーションしたところ、

資産 比率 下落幅 暴落前 暴落後
日本株 100% -42% 1000万円 580万円


となり、10代女性の例の654万円と74万円ほどの差だけになります。そうであれば、リターンが大きい日本株に投資した方がいいのでは?と考えています。

(ただ、長期間の積み立てや、下落していたときに口数を増やせたりして金額が大きくなったり、リタイアが近づいたら、守りに入ってリスクの低い商品に一部変更する考えはあります)


●(上記を踏まえた)現在考えている投資信託の始め方

1)NISAで毎月10万円ずつ積み立て(5年で600万円)
 商品はブログで紹介されている信託報酬が少ないインデックス(日本株)を予定
2)NISAが終了したら、毎月5~10万円で積み立て

投資信託を初めていくのにあたって上記の様な考えであるのは浅はかでしょうか。お考えを教えて頂ければ幸いです。

<個人データ>
年齢 40代前半
年収 600~700万円
貯金 約2000万円

※なお、今年の7月ごろから企業型確定拠出年金を開始される予定で、拠出可能最大の27.6万円(2.3万円×12ヵ月)を、やはり信託報酬が少ないインデックス(日本株)で行うことを考えています。



ご回答:理屈の面でも感情の面でも、ハイリスクハイリターンは耐えがたい

まず、理屈上の問題からリスクもリターンも低い資産クラスに投資します

ルーペさま、ご質問頂きまして、ありがとうございます。確かに、なぜわざわざ低いリターンが分かっていながら、その資産クラスに投資しなければならないのか、意味が分かりにくいですよね。

しかし、それがアセットアロケーションの考え方です。国際分散投資をすると、期待リターンの高いものから低いものまで、そしてリスクも高いものから低いものまでをミックスして投資する事になります。

そしてそれを行う事で、期待リターンの高いものだけに投資するよりも、何と、リターンはほぼ一定になるにもかかわらず、リスクが減少するのです。

この発見が、ノーベル賞を受賞した現代ポートフォリオ理論であり、こんな素晴らしいことがあるのならば個人投資家もその考え方を取り入れてしまおうという話しになります。

これを分かりやすく解説したものに、なぜ投資のプロはサルに負けるのか?― あるいは、お金持ちになれるたったひとつのクールなやり方という本がありますので、中古でたかだか100円程度ですから、お読みいただければと思います。




今回の10代女子も、期待リターンの高いものに投資すれば良いのであれば、最も期待できる新興国株式に集中投資すれば良い事になります(質問では、新興国株式に言及していないので、新興国株式クラスは載っていませんが)。

でも、リーマン級の大暴落があった場合は、実績値として約6割という半端ない下落をストレートに受ける訳で、1000万円が400万円に減ることになります。

なお、先進国株式だと500万に、日本株だと400万になりますが、この数字はあくまでもリーマンショックの時の話しであって、大暴落の時にいつもこの数字近辺に落ち着くわけではないという点に注意が必要です。

日本のかつての不動産バブル崩壊では、世界の株式の下落をはるかに超えて、日本株式だけが呆れるばかりの半端ない大暴落に見舞われています。暴落のショックの発生場所や、世界経済の様々な絡みの中で結果的に数字が決まるだけですから、間違わないようにしましょう。


https://nikkeiyosoku.com/chart/よりチャートを拝借)


ただし、日本株であってもどの国の株であっても、投資タイミングを読むことができるという人については、わざわざ国際分散投資などやる必要性はゼロであり、得意な市場で集中投資すると良いでしょう。


現実の暴落では、大抵の人が耐えられません

さて、別の観点からお話ししましょう。計算では、大暴落によって10代女性は35%ほど資産が減って1000万円が650万円に、ルーペさまは42%ほど減って580万円になるという事になります。

「その差は70万円にしかならない」というのはその通りなのですが、問題は、その金額は1人1人で受け取り方が異なるという事です。

2018年2月頭に株価が10%ほど急落しましたが、投資の初心者はその程度でもかなり大騒ぎしていました。1000万円が900万円になる程度でも大騒ぎするのがごく一般の人のリスク耐性な訳で、その人たちにとっては650万円と580万円にはやはり違いは有るのではないかというのが私のイメージです。

特に500万円台の足音が聞こえてくるインパクトはとても強いと思います。あくまでも結果論で「それで済んだ」だけであって、現実の大暴落はいつ終わるのか分からない、得体の知れない魔物のようなものです。

その時に、アセットアロケーションが日本株オンリーの人と、暴落のショックの緩衝装置である債券クラスを含んだアセットアロケーションの人とでは、暴落時の心理的ダメージの差は、数字以上だと思います。

リーマンショック時も、数知れない個人投資家が消えていきましたが、皆さん身の丈を超えたリスクを背負った人たちばかりです。

逆に言うと、ルーペさまが日本株オンリーのアセットアロケーションで、リーマンショック、あるいは日本の不動産バブル崩壊の大ショックレベルの暴落でも耐えられるイメージしか持てないのであれば、リスク耐性は強靭である可能性が大ですから、自分の信念のもとに投資するスタンスで宜しいかと思います。

しかし、当サイトはごくごく一般の人を対象にしていますから、リターンよりもリスクを最重視してアセットアロケーションを組みたてましょうというスタンスになりますね。



追記:質問者様から追加のお便りをいただきました(^^♪

こんにちは。先日に 「 リスクの低いものに敢えて投資する必要性」 で、質問させて頂いたルーベです。回答を頂き、また、ご紹介頂いた本と、橘玲さんの「臆病者のための億万長者入門」を読みました。

その結果、アセットアロケーション(とポートフォリオ)は以下のようになりました。

・国内株式:9% ニッセイTOPIXインデックスファンド
・国内債券:20% ニッセイ国内債券インデックスファンド
・海外株式:48% 三菱UFJ国際-eMAXIS Slim先進国株式インデックス
・海外債券:20% ニッセイ外国債券インデックスファンド
・新興国株式:3% 三菱UFJ国際-eMAXIS Slim 新興国株式インデックス


実は正直まだきちんと理解できていないところはあるのですが、リターンを維持しつつ、損失のリスクを減らすことが期待できるという事は認識できました。

このサイトに出会えて、またご相談する事が出来て本当に幸運だったと思います。実際に投資信託を購入するのはこれからですが(現在、証券会社を変更手続き中)、この度は、どうもありがとうございました。




お返事:今後は、ひたすら積み立てを実行しましょう!

ご丁寧にお返事いただきまして、ありがとうございます。拝見しますと、アセットアロケーション、ポートフォリオ共に、何ら問題は無いかと思います。きちんと勉強して、それを実行に移せるのは素晴らしいです。

今後、相場が高くなったり低くなったり、あるいは時には大暴落する事もあるかもしれませんが、あとはひたすら、リタイアの時期が到来するまで、積み立てを行うのみです。

ルーペさまが今後、資産を増大させて、人生が実りあるものになる事を祈っています!





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