安全資産を全く入れない投資信託の資産配分

これから積み立て投資を実行しようとお考えの方からのご質問です。いくつかありますので、分けて回答差し上げますね。

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アセットアロケーション等、いくつかの質問がある

2014年12月:KURS様(男性・20代)よりのご質問

はじめして、いつも楽しくサイトを拝見しています。このサイトをきっかけに自分なりに積立投資に関して、勉強したので、2015年1月よりNISA口座内で積立投資を始めようかと思っています。

現在、積立投資を始めるにあたって、4つほど疑問な点があり、自分の投資法と共にご指導して頂ければ幸いです。

【自分の情報】20代半ば、独身、毎月の積立金額3万円(余剰資金)
【投資期間】一生(よっぽどのことがない限り、死ぬまで)
【目標】1億円(死ぬまでには…多分)

【リスク許容度】リスクに関しては、どちらに転んでも(基準価額が下がる→口数が多く買える,
基準価額が上がる→含み益が増える)ラッキーと思えるので、高い方だと思います
【証券口座】SBI証券(NISA口座)

【アセットアロケーション】
・国内株式:10%・・・ニッセイ日経225インデックスファンド
・先進国株式:50%・・・(購入・換金手数料なし)ニッセイ外国株式インデックスファンド
・新興国株式:20%・・・eMAXIS新興国株式インデックス
・国内リート:5%・・・(購入・換金手数料なし)ニッセイJリートインデックスファンド
・海外リート:15%・・・(購入・換金手数料なし)ニッセイグローバルリートインデックスファンド

【疑問1】人類の欲望は限りがなく、一時の低迷(リーマンショックのような)はあるけど長期的に見れば必ず世界経済は発展していく(ただし、日本に関しては世界経済に比べて低成長)という考え方なので、比較的守りの資産である債券を組み入れずにいこうと思うのですがいかがでしょうか?

【疑問2】リーマンショックのような暴落時や世の中が不景気と言われる時には、積立額を増やそうと考えているのですがいかがでしょうか?

【疑問3】今後リバランスする時は、1回で行うべきでしょうか?それとも、1年くらいかけて少しずつ行うべきでしょうか?

【疑問4】NISAは、NISA口座から課税口座への移管のタイミングが一番重要だと思うのですが、移管のタイミングとして目安みたいなもの(例えば、含み益が何%等)はあるのでしょうか? 以上です。宜しくお願い致します。

 


ご回答:順番に、お答えしてまいりますね

疑問1・守りの資産、債券クラスを組み入れ無い事に関して

アセットアロケーションほどご自身の価値観を反映したものはないと思っており、同じインデックス投資においても各人各様ですから、実に面白いです。その意味で、債券クラスを全く組み入れないという選択肢は、大いにアリだと思います。

しかし、守りが無いというのは逆に、攻撃されたら総崩れになるという事です。

KURSさまのアセットアロケーションをマネックス証券マネックスビジョンβで見てみますと、次のような状態になります。矢印の白丸の部分、その資産配置においてはリスクとリターンの組み合わせは最適になっているようです。

マネックスビジョンβで質問者さんのポートフォリオ分析


ですが問題は、その位置が有効フロンティア曲線上の最適な位置にいるかどうかではなくて、ご自身のメンタルが、リーマンショックのような暴落時に平静でいられるかどうかです。

実はここが一番大事なポイントで、インデックス投資をやっていたにもかかわらず、リーマンショックで退場してしまったインデックス投資家は、存在するのです。

例えば今後月3万円ずつ、およそ6%強の期待リターン(株だけなら十分あり得る)で30年積み立てると、約3000万円の資産となります。
安全資産の役割
この時にリーマン級の暴落が有ったとしたら、それが平気で半値の1500万円に急減します。そして、いつ回復するのか分からない状態で含み損を抱える事になります。

この時にKURSさまは平然としていられるのか?という事です。

現在のように株価が世界的に絶好調な時、そしてリーマンショックを未経験の人は、リスク許容度をよく考えないで、とにかく全部をリスク資産に突っ込みたくなる傾向があります。

有事の際に、ポートフォリオ全体が一気に棄損する事態を大いに緩衝してくれるのが、安全資産なのです。期待リターンだけで組み入れを考えるのではなくて、株がアクセルだとしたら、債券はブレーキだと考えていただいて、もう一度アセットアロケーションを再検討してみて下さい。

もちろん、年齢とともに債券の割合を増やすといった手も良いと思います。今は20代ですから、リーマンクラスの危機が襲ったとしても、減ってしまうお金の総額はたかが知れています。

積立金額が増えてきてからリスクを感じるという事もあるかと思いますので、少しでも不安感を感じたとしたら、それがリスク許容度を超過している、つまりスピード違反の状態に達したという事ですから、その時でも良いので、アセットアロケーションの再検討をお勧めします



疑問2・不景気の時に積立額増額について

全く問題はないと思います。株価が暴落して、人々が恐怖におののくときに資金を投入できるかどうかは、株で資産を増やしたいと考える人にとっては、とても大切です。

(個別株の場合は、お金を投入して良い先かどうかの分析が必要になりますので、それが不勉強なのであれば、インデックスファンドなどで市場全体に資金を投入する戦略が、非常に有効になります)

ただし、どこが相場の底なのかは誰にも全く分かりません。したがって、景気低迷時や相場の暴落時には、粘り強く市場に資金を投入できる忍耐力が大事です。

数年にわたって景気が低迷したとしても資金を提供できるくらいの心づもりと、資金管理が必要だと考えます。



疑問3・リバランスはどのくらいの期間で行うのが最適か?

リバランスを年1回にするのか、そうではないほうが良いのかは、下記の、モーニングスター社の分析を参考にしていただければと思います。

http://www.morningstar.co.jp/fund/analyst/2010/4q/MFA120101104.html


これによると、リターンが一番大きくなるのは、半年に1回のリバランスのようです。ただし毎月リバランスすると、逆にリターンは結構落ちるのが興味深いです。

いずれのケースでも、リバランスしないのに比べると、リバランスは明らかに有効だという事ですね。回数などは、あまり気にするようなことではないと感じます。



疑問4・NISAから一般口座への移行タイミング

これについては、移行タイミングは存在しません。5年間のNISA期間が終了すると自動的に口座が移行するだけなので、ご自身でタイミングを計ることはできません。

(この時、100万円分を再度、NISA口座に移管することもできますし、一般口座に移すこともできます)

NISA口座の仕組みの概要図
  (図はSBI証券より拝借)


もちろん、NISA期間が終わる前に利益確定をして、資産を現金化するなどという事は自由です。(その分のNISA枠が空くわけではありませんから、その点は注意してください)



追記:KURSさまからお返事をいただきましたので掲載

先日、積立投資に関していくつかの質問をさせていただいたKURSです。的外れな質問もあったと思いますが、親切丁寧に教えていただきありがとうございました。

前回のアセットアロケーションは、堀田様のおっしゃられるように現在の株価が世界的に絶好調な時なので、期待リターンばかりを追求し、経験していないリーマンショックのような暴落時を甘く見たアセットアロケーションになっていました。

実際に、暴落時を経験した事もないのにリスク許容度が高い方だと勝手に思っていた自分が恥ずかしいです。

早速、各種インデックス型のバランスファンド(SBI資産設計オープン、SMT インデックスバランス・オープン、セゾン・バンガード・グローバルバランスファンドや世界経済インデックスファンド)を参考にしつつ、前回の質問時よりリスクを抑えたアセットアロケーションを検討しました。

【アセットアロケーション】

国内株式:5%・・・ニッセイ日経225インデックスファンド(10%→5%)
先進国株式:35%・・・<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド(50%→35%)

新興国株式:10%・・・eMAXIS新興国株式インデックス(20%→10%)
先進国債券:30%・・・<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国債券インデックスファンド(0%→30%)

国内リート:5%・・・<購入・換金手数料なし> ニッセイJリートインデックスファンド
海外リート:15%・・・<購入・換金手数料なし>ニッセイグローバルリートインデックスファンド  

それから、リートについてなのですが、個人的には「ミドルリスク・ミドルリターン」のイメージでアセットアロケーションに組み入れているのですが、モーニングスターのアナリストの視点(2014/08/26)の記事を見ると、どうもそうではないみたいで、このままでの比率(20%)で行っていいのか少し迷っています。

リートを組み入れるかどうかは、結局のところ人それぞれ、好みの問題と言ってしまえばそれまでだと思うのですが、アセットアロケーションは、伝統的資産と言われる国内株式、国内債券、海外株式と海外債券だけで構成した方がいいのでしょうか?

リートについて堀田様の考えをお聞かせ願えないでしょうか。  以上です。宜しくお願い致します。

 


リートがミドルリスクミドルリターンというのは、不動産投資家だけ

モーニングスターの記事を拝見しました。
http://www.morningstar.co.jp/fund/analyst/2014/3q/MFA120140826.html


この記事にある通り、REITは株式同様に大きな値動きをします。たしかに株式とREITは別の資産なので、多少なりとも分散効果はありますが、保有することで余計にリスクを高める可能性があるのであれば、保有割合を少し減らすなどしたほうが良いでしょうね

REITはミドルリスクミドルリターンという言葉は良く聞きますが、この言葉が当てはまるのは、物件をしっかり見極めることができた上での実物不動産投資です。

ですのでよく、不動産投資家は「REITはミドルリスクミドルリターン」と言うことが多いような気がします。言葉が勝手に独り歩きしている感がありますね。



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