日本への投資比率が高めのバランスファンドを選びたいというニーズ

既に2年ほどの投資経験が御有りの方からのご質問です。意外に珍しいのですが、日本の株や債券に投資する比率が高めのバランスファンドを教えて欲しいというものです。なるほど、そういうニーズが有るのかと、逆に参考になりました。


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日本が多めの、いいバランスファンドがあれば教えていただきたい

2018年4月:chisaさま(女性・30代)からのご連絡

つみたてNISA」「iDeCO」の導入を決意し、ファンドを見直したいと考えています。ほぼほぼ初心者なのですが、現状は、2年程から以下のファンドを運用しています。

特定口座で「セゾングローバルバランスファンド」、 NISAで「SBI資産設計オープン(資産成長型/スゴ6)」と「三井住友・日本債券インデックス・ファンド」を持っています。

今度、セゾンは「iDeCo」にするために、楽天証券から買い直し、NISA分は「つみたてNISA」に移行するため、あと3年程そのまま放置と言う形になりそうです。

これからは、楽天証券のiDeCO経由で「セゾングローバルバランスファンド」をまずは5000円から、SBI証券のつみたてNISAで「eMaXIS Slim バランスファンド(8資産均等型)」5000からの2本までは決めたのですが、つみたてNISAでは、もう何本か5000円ずつと投資したいと考えています。

今のプランだと、以下のようになり、(リスクなどは計算の方法が分からないのですが・・・)全体をみると、日本が弱いように感じています。

【地域】先進国60.1% 日本24% 新興国15.1%
【割合】株 43.75% 債券43.75% リート12.5%



一度、株式だけのインデックスファンドを運用したことがあったのですが、精神的に落ち着かないので、できればバランスファンドで行きたいと考えていますが、そこで、上のふたつに加えて、日本が多めの、いいバランスファンドがあれば教えていただきたいです。

運用が落ち着いてきたら、徐々にiDeCo、つみたてNISAとも、月々の額を増やして、満額で運用したいと考えています。ご助言いただければありがたいです。よろしくお願いします。



日本への投資割合


ご回答:ご自身を良く分かっている点が素晴らしい、リスクについてはチェックを

ある程度、ご自身のリスク許容度の把握ができているようです

この度はご質問をいただきまして、ありがとうございました。お便りを拝見して、まず最初に感心したのは、「株式だけのインデックスファンドを運用したことがあったのですが、精神的に落ち着かないので、できればバランスファンドで行きたい」と言う部分です。

数年に渡って株価が絶好調の相場が続いているため(特に2017年はあり得ないくらいの好調相場でした)、特にここ最近は、投資を始めたばかりの人がたくさんおられて、投資関連のブログを見ても、「リスクの取りすぎじゃないか?」と懸念するような人が多数おられます。

こういう人たちは、とにかく株式だけのインデックスファンド、あるいは安全資産の債券比率が低いファンドを選びたがる傾向があるように見受けられます。特に、下記

楽天・全米株式インデックス・ファンド
楽天・全世界株式インデックス・ファンド


のように、インデックス投資家からは宗教の如く崇められているバンガード社のインデックスファンドを組み込んだ、超低コストの株式ファンドの人気が非常に高く、これだけ買っていれば良い、というような論調も見受けられます。

しかし、今は世界経済が絶好調だから良いものの、もしも景気後退局面を迎えて、そこに何かの突発的な事件などが重なった場合は、信じられないような株価の暴落が必ず起きます。

その時、株式ファンドの基準価額は平気で2割3割の暴落をしますし、万が一にもリーマンショック級の大暴落がやってきたら、5割程度の価格下落の地獄を見ます。

もちろんそれでも耐えられるようなリスク許容度の高い人は平気でしょうし、リーマンショックの経験者の場合でも、普通にやり過ごす事ができると思います。

ですが、2018年の2月前後のように、せいぜい1割程度の価格の下落で右往左往するような人たちが、そんな暴落に耐えられるとはとても思えません。

その点を考慮すると、ここ2年ほど株式インデックスファンドで試しに運用をしてみて、(恐らく価格変動が大きいので)精神的に落ち着かないという結論、ご自身のリスク許容度は高くは無いぞ、という点に気が付いたのは非常に良い事だと思います

別に、リスク許容度が高いと凄くて低いとダメ、というような事は全くありません。投資はとにかく、自分に相応しいやり方をするのが一番です。

それを知って、今後のアセットアロケーションに債券を4割以上組み込んで、比較的「安全運転」で行こうと決めた事に関して、たいへん関心いたしました。

投資と言うのは、ギャンブルまがいに「イケイケどんどん」にやるものではありません。出来るだけ安全に、「ソロリ」と忍び足の如く緩やかに資産を増やしてゆくようなやり方でも、定期預金よりもはるかに有利に資産を形成する事ができるのです。



ただし、リスク許容度の具体的チェックはやるようにして下さい

しかしながら、とりあえず決めた資産配分比率が本当にご自身に合っていると言い切れるのか、具体的な数値で確認している訳ではないようですから、私から見るとだいぶ不安が募ります。

例えば株式に対して相対的に安全だといわれる債券クラスでも、為替リスクのある先進国債券と、それが無い国内債券では、その比率次第で全体のリスクの数値は大きく変動します。

eMaXIS Slim バランスファンド(8資産均等型)をセレクトされたようですが、これなどは安全資産の先進国債券と国内債券の比率は25%しかなく、想像よりもかなり株式ファンドの値動きに近いですから、この選択で良いのかどうか、再検討が必要かもしれません。

(このファンドの中には新興国債券が12.5%含まれていますが、この資産クラスは債券とは名ばかりで、株式並みに価格変動しますから、安全資産とは言い難いです)

ご自身のリスク許容度の具体的な確認方法は、以下の2つのページで詳しく紹介していますので、じっくりと読んで頂いて、計算してみてください(小学生から中学生レベルの計算でリスク許容度をチェックする事ができます)。

投資信託のリスクとリターンを具体的にチェック(細かくチェックします)
10代の若き女性から投資のリスク許容度の質問が来た(簡便的にチェックします)


リーマンショッククラスの大暴落を想定して、それをも耐えきって長期投資を続けることができるかどうかがポイントです。

ブロガーとか知り合いとか、そのような人のおススメをそのまま選んではいけません。それはあくまでもその人にとって最適なのであって、あくまでも参考意見です。そのまま受け入れるのではなく、最終チェックはご自身で行いましょう。


日本株の比率の高いバランスファンド

日本の株や債券への投資比率の高いファンドにつきましては、低コストのものを以下の通りセレクトしてみましたので、どうぞ参考にしてください。

余りにも日本の比率が高すぎると、ホームカントリーバイアスのかかり過ぎのような気はしないでもありませんが、好みの問題でもあるので、適当なところをご自身で選んでいただければと思います。

eMaXIS Slim バランスファンド(8資産均等型)が株式比率が高めなので、ここでは債券比率が高いものを選んでいます。その点もご留意ください。

ファンドの名称 信託報酬(税抜) 特徴 日本への投資比率
三井住友・DC年金バランス30(債券重点型)(マイパッケージ)  0.22% 日本株式20%、日本債券55%、先進国株式10%、先進国債券10%、短期金融資産資産に5%ずつ投資する株式比率30%のインデックス型バランスファンド。 75%
三井住友・DC年金バランス50(標準型)(マイパッケージ)  0.23% 日本株式35%、日本債券35%、先進国株式15%、先進国債券10%、短期金融資産資産に5%ずつ投資する株式比率70%のインデックス型バランスファンド。 70%
ノーロード明治安田5資産バランス(安定コース) 0.40%  日本株式、先進国株式、日本リート、国内外債券の計5資産クラスに投資するバランス型の低コストアクティブファンド。リートを含む株式比率30%の安定コース。 70%
ノーロード明治安田5資産バランス(安定成長コース) 0.43%  日本株式、先進国株式、日本リート、国内外債券の計5資産クラスに投資するバランス型の低コストアクティブファンド。リートを含む株式比率50%の安定成長コース。 60%


上記のファンドが、セゾン・バンガード・グローバルバランスファンドと比較して、どのような値動きの傾向があるのかは、以下のリターン比較をご覧ください。(「ノーロード明治安田」の運用歴が短いので、1年でしか比較できていません。また、ノーロード明治安田はアクティファンドです。)

繰り返しますが、リターンが低いからダメという訳ではありません。リスクとリターンのバランスが、自分に相応しいものが「良いファンド」になります。

三井住友・DC年金バランス(マイパッケージ)の2つのファンドが、セゾンに比べてリスク(標準偏差)の値が小さく、リターンもほどほどに良いので、候補になるのかなと思います。




それと、日本への投資比率が高くて、株と債券の比率も1:1になるものとしては、4資産均等ファンドの使い勝手が良いです。これを選ぶならば、先述の8資産均等タイプを止めて、全てこれにしても構わないような気もします。(リスク許容度をチェックして決める事)

ファンドの名称 信託報酬(税抜) 特徴 日本への投資比率
<購入・換金手数料なし>ニッセイ・インデックスバランスファンド(4資産均等型) 0.219% 日本と先進国の株式/債券の基本4資産に25%ずつ均等投資するインデックス型バランスファンド。画期的な低信託報酬が魅力。 50%
つみたて4資産均等バランス 0.22% 日本と先進国の株式/債券の基本4資産に25%ずつ均等投資するインデックス型バランスファンド。eMAXIS バランス (4資産均等型)と中身が全く同一で信託報酬が半分以下。 50%


セゾンに対して、4資産均等タイプの値動きは、ほとんど一緒でした。セゾンと、株及び債券の比率は1:1と同一ですが、日本債券への投資比率は4資産均等のほうが高いので、恐らくリスクは低くなる筈です。この点も、リスクの算出をしてみて、決めてください。




4資産均等タイプを選んだ場合、新興国株への投資がゼロになってしまうのが玉に瑕です。ただし、セゾンと8資産均等タイプへの投資で、多くはないですが、新興国への投資もカバーできていますので、個人的にはこれで良いような気がします。

以上で、今回のご質問への回答となります。ほどほどに落ち着く資産配分となっても、投資には100点はあり得ません。70点くらいの点数を付けられるようなものであれば、それで良しとして構いません。

あとはひたすら積み立てを続けて、途中に大暴落があっても決して狼狽して売らない事。基準価額が低迷している時の積み立ては口数(量)が稼げるので、相場が反転した時は一気に利益につながります。

途中で相場から「退場」しなければ、あとは自ずと「勝利」する事になります。不安に取りつかれたら、また当サイトにご相談をくださいませ(^^♪



追記:ご質問者様から、お返事を頂きました(^^♪

お忙しい中、ご丁寧なお返事をありがとうございました。 大変参考になりました。

eMaXIS Slim バランスファンド(8資産均等型)が 株式ファンドのような値動きをするとは把握していなかったので、 驚きました。 リスク許容度の低い私には合わなさそうな気がしてきたので、 こちらは他のファンドを再検討してみようと思います。

また、単純にバランス的に日本株式・債券が少ないと感じた、という理由だけで、日本が多めのファンドをお伺いしてみたのですが、 それがあまりないことだったことも知りませんでした。

「セゾン」は特定口座からiDeCoにしても続けようと思うので、セゾンを中心にもう一度、考え直したいと思います。 この度はありがとうございました。






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