分配金を受け取る投資と再投資する投資のどちらかを選ぼう

今回は、ゆうちょ銀行の投資信託に「騙された」と気が付いた男性からのご相談です。元・国家の運営する金融機関と言えども、「他がやっているからウチもやる」という横並びで、酷い商品を売りつけています。これを売却したのちの話しが、ご相談内容になります。


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再投資しながら複利運用したいと思っています

投稿者:おくちゃんさま(年代不明・男性)2018年8月

はじめまして。堀田さん。おくちゃん言います。ゆうちょ銀行の投資信託 野村米国ハイイールド毎月で資産運用していましたが今月の分配金が1/3に減って、勉強しようと思い調べてたら堀田さんのサイトに到達しました。目から鱗でこの人について行こうと思い、ゆうちょ銀行から楽天証券イデコも楽天に変えようと今手続きはじめました。

ハイイールドの失敗からetfに変えようと思ってます。1566  1677の2つで再投資しながら’”複利運用”したいと思ってます。

野村ハイイールドを全部解約して600万くらいあります。ノーロードを実践して楽天証券、楽天イデコで取り組みたいと思ってます。どう振り分けにしたらいいでしょうか?多少のリスクを取りながら資産運用したいです。かと言ってアクティブ運用まではしたくないです。

僕は事故で車椅子障がい者で仕事してません。分配金で生活したいと思って投資信託毎月分配型をしてましたが、堀田さんに教えられました。確かにそんな甘い事ないのが実感です。複利運用はわかってましたがうまく実行出来ませんね。

堀田さんは大変勉強したのでしょう。関心します。僕もそうなりたいです。まずは堀田さんのサイトで勉強します。長文読んでいただきありがとうございます。


投資スタイルの決定


ご回答:分配金目的の投資なのか、キャピタルゲインを得たいのか決めましょう

おくちゃん様、今回は大変なボッタクリ投資信託の被害にあってしまいましたね。しかし、商品の「悪さ」に気が付き、ただちに損切りできた事は素晴らしいと思います。大概の人は、間違っているのに損切りが出来ないという、投資家失格の行動をしてしまいますから。

そして、問題になるのはその次です。この部分において、やや勘違いなどもされておられるようですので、回答を読んで頂いたのちに、色々と再考して頂くと良いかと思います。


「再投資しながら複利運用」するのに分配が出るタイプは不適切

まず最初に、複利運用をする場合には、分配金が出る投資信託やETFを買ってはなりません。今回購入しようかと検討している1566(上場インデックスファンド新興国債券)1677(上場インデックスファンド外国債券)は、まさに分配金が出るタイプであり、不適切です。

分配金が出ると、特にETFの場合は基本的にはタコ足分配ではありませんから、毎回、分配金の2割強を税金として差し引かれます。税金を取られた残り8割弱を再投資する事になって、非常に効率の悪い事になります。

もしも複利運用を目指すのであれば、分配金が出るタイプではなくて、無分配再投資タイプのものを選ぶようにして下さい。

とは言ってもETFは分配金を出さなくてはならないことになっていますので、ETFで長期投資をする場合には出来れば年に1回のものにして下さい。

それよりも、今は一般の投資信託のコストが極限まで低くなっており、ETFを利用するメリットが薄れています。一般の投資信託であれば無分配で配当(分配金)を全てファンド内で再投資しますので、しっかりと複利効果を享受できます。


どちらのタイプの投資を志向するのか、再考しましょう

今回、おくちゃん様がどのような投資を志向されているのか、お便りからは分かりませんでした。障がいをお持ちだからこそ、分配金で生活費などを補填する事を目指していらっしゃるという意味だと思うのですが、これを無分配再投資のスタイルの投資に変えると、期待していた分配金はゼロになりますから、それで生活したいという目標はどこに行ってしまうのかなと、ちょっと疑問点が出てきますね。

分配金か値上がり益か


あるいは、実は分配金などを貰わなくても、当面、生活上の問題は回避されているという事であれば、当サイトでご紹介しているようなインデックス投資を行って、20年30年後くらいをめどに一定の資金を確保するような、堅実な投資スタイルでも良いのかなと思います。

この辺りは、おくちゃん様の金銭面も含めた普段の生活の実情をある程度知らなければ、なかなかうまく回答する事は出来ません。どちらのスタイルが良いのかを軽々には答える事ができず、歯切れの悪い回答になってしまいますことは、お詫び申し上げます。


毎月分配型が悪いのではなくて、タコ足分配のファンドが著しく問題

ところで、野村米国ハイ・イールド・ファンドの分配金が3分の1に減った事をお嘆きのようです。しかし、運用報告書で分配原資の内訳の部分を見ると、そもそもの分配金が高すぎる事が分かります。

下記、青線の分配金が150円となっているのに対し、ファンドの毎月の収益は赤枠のように50円を切るくらいの数字しかありません。

という事は、その差額の3分の2は、おくちゃん様の投資元本を勝手に削って分配していたわけで、まさしく自分で自分の足を食うが如くであり、タコ足分配だった事が分かります。




毎月50円に減配されたとお嘆きですが、それでようやく現実的な数値になってきたというべきでしょう。

だからといって、年率1.7%もの超絶高コストの投資信託など買っていたら、タコ足分配だけではなくてコストの部分でもご自身の信託財産が相当食い潰される方向に働きますから、こんなものは投資に不向きだと言えますね。

要は、野村米国ハイ・イールド・ファンドのようなどうしようもない低品質ファンドを使うから毎月分配型投資信託がダメなのであって、分配金を得る投資が悪いという事ではありませんので、混同しないようにして下さいね。

したがって、野村米国ハイ・イールド・ファンドがダメ商品だからという理由で「分配金を得る目的の投資がダメ」という判断をされる事は短絡的だと言えますし、だから分配金再投資の投資に切り替えるというのも早計だと思います。

繰り返しになりますが、今一度、ご自身が求めている投資とはどんなスタイルなのかを決めて頂いて、そののちに具体的な商品の選定をするようにして下さい。目的を達成するにはどんな投資が相応しいのかを決め、商品選びなどは一番最後で構いません。

その部分がはっきりして、その時点で分からないことがあるようでしたら、再度、ご質問をいただければと思います。


分配金を受け取りしながら再投資する投資が無いわけではない

以上のような結論と言いますか、お願いをしたところで本ページは終了なのでありますが、若干の追記を。

本ページでは、分配金を受け取る投資と分配金を再投資する投資は両立しないような書き方をしている訳なのですが、実はそれは、分かりやすさを表現するために、そう言っているだけであるという側面もあります。

例えば、個別株に投資をした際には、基本的には株価の値上がり益を第一に考えつつも、配当金や株主優待を受け取る事にもなる訳です。したがって、その両者は両立しています。

ETFも同様で、基準価額の値上がり益を狙いながらも、毎年分配があるので、分配金が出た時だけ、それで何か美味しいものでも食べて、生活費に使っても良いですよね。

つまり、キャピタルゲインを主目的とした投資に、ついでに配当金や分配金を得るタイプの投資が同居している事になります。

また、高配当株や、高配当株式ETFあるいはREITのETFの場合は、配当を主目的にしながら、一方で株価や基準価額の値上がりも期待するという投資の考え方もあります。

したがって、自分はいったい、キャピタルゲインを貰いたい気持ちが強いのか、分配金を獲得するほうが嬉しいのか、どちらのタイプなのかをハッキリさせたうえで、あいまいな部分が残るのであれば、その両者を心地良い範囲内でミックスさせるようなやり方をしても問題ないかと思います。





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