野村証券のNISA口座でお勧めされる商品の具体的事例

投資をした事が無いという人が野村証券に相談に行って、NISA口座で超高コストのアクティブファンドを中心に、お勧めされたようです。分からないから野村証券に行けば間違いないだろうなと考えて、大間違いをしてしまう人は沢山いるのだろうなと思います。

初心者はインデックスファンドとアクティブファンドの違いについてまずコチラから


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つみたてNISAにすれば良かったかなと悩んでいます

2018年12月:chim chai様(女性・年代不明)よりのご質問

投資信託、全くの素人です。子どもが自立しローンも終わったので、老後に向けてお金を貯めようと思い口座がある野村証券に行きNISA口座を開設しました。勧められた商品は、

①野村ACI先進医療インパクトB
キャピタル世界株式ファンド
野村インデックスファンド日経225


です。流石にその場で契約するのは心配なので、家に戻って本やネットで分からないなりに調べると、①②に関して買ってはいけない投資信託に当てはまると思いました。

担当は20代半ばの感じの良い女性社員でしたが、電話でキャピタルは手数料が高いのでと言うと、それだけ手がかかっているものですと、怒った口調で言い返されしまいました。

月々5万円前後の積立、15年は使わない予定であれば、積立NISAにすればよかったかなと悩んでいるところです。アドバイスを頂けたら幸いです。


野村證券のNISA口座


ご回答:今からつみたてNISAに変更して、ゆったりと投資しましょう

chim chaiさま、ご質問ありがとうございます。「子育てが終わって、これから老後に向けてお金を貯めたいと考えだした投資の素人」・・・もうこれは、状況的には金融機関が最大のターゲットとしている、典型的なカモ顧客と言って良いでしょう。

この状況の人に加えて、「退職金を手にしたばかりのプライドの高い投資未経験者」までもを含めると、「投資の二大カモ顧客」と言えますので、細心の注意が必要です。

今回は、chim chai様さまの、生活する上での常識観が勝り、推奨されたファンドがマトモなものなのかどうかを事前にしっかりとチェックされた事で、被害が防がれた形です。

大概の人は何ら疑う事なく購入して、価格が下がって青ざめて、初めてチェックを入れるという酷さです。カモにされる理由が、よく分かるというものです。


アクティブファンドの利用は投資の百戦錬磨の人限定

chim chai様さまが推奨されたうち、野村ACI先進医療インパクトBとキャピタル世界株式ファンドの2つが、ボッタクリレベルの超高コストのアクティブファンドになります。

市場の平均的な投資成績を上回る事が期待されており、実際にそうなれば良いのですが、アクティブファンドの大半は長期的にインデックスファンドに負けるというのは金融機関関係者ならば誰もが知っている「不都合な真実」です。そのようなものを平気で勧めてくるのが、野村證券をはじめとした、店頭で顧客を相手にする金融機関です(銀行も含む)。

確かに、高コストのアクティブファンドでも、大きく儲ける事ができる可能性はあります。たとえば、ここ数年の極めて大きなトレンドは、アメリカのハイテク株に投資する商品です。

アメリカのハイテクバブルに乗っかっているため、とにかく多数の商品が雨後の筍の如く登場して、ことごとく大量に売れました。3年以上の運用成績のあるものとして、仮にグローバル・ロボティクス株式ファンドの例を見てみましょう。

グローバル・ロボティクス株式ファンドは米国のハイテク関連銘柄に集中投資する、購入時の手数料が3.5%、信託報酬が1.76%もする超高コスト投資信託です。

それと、当サイトでも高く評価している、日本を除く先進各国(うち、米国が5割ほど)に広く分散投資をする<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド(購入時の手数料ゼロ、信託報酬0.109%)と運用リターンを比べます。

以下は、その3年と1年の過去のチャートです。確かに3年で見ると、アクティブファンドのほうがニッセイのインデックスファンドよりも10%強も高いリターンです。しかし、直近1年で見ると、インデックスファンドに負けるようになってきています。ハイテクバブルが崩壊しかかっており、その影響がチャートに現れてきています。




何が言いたいかというと、高いコストをかけてグローバル・ロボティクス株式ファンドを買うのならば、どこで買い付けを入れてどこで売り抜けるかが大事なのです。2016年あたりに買って、2017年の終わりくらいに売り抜けた人に、高い利益をもたらしました。

が、そんな事を投資の素人が出来るとお思いでしょうか。99%、不可能です。私にも出来ませんし、投資家でもなんでもない、野村證券の営業マンにも出来ません。1%の人は生まれつき天才であり、もしかしたら出来るかもしれないと、そんな感じです。

グローバル・ロボティクス株式ファンドに人が群がって儲かって仕方なくなった金融機関が、極めて類似したグローバル・フィンテック株式ファンド(手数料3.5%・信託報酬1.75%)を売り出してきていますので、こちらも見ておきましょう。

こちらについては、更にニッセイのインデックスファンドとのリターンの差が付いています。直近1年間はアクティブファンドの成績が急降下していますが、それでもまだ、インデックスファンドよりも少し、成績が上回っていますね。でも、抜かされるのは時間の問題のようにも見えなくもない状況です。


(注:これら両者のベンチマークなどは異なりますので、厳密には比較対象外とも言えますが、話を分かりやすくするために、敢えて比較するような形にしています。)


ここでも、グローバル・フィンテック株式ファンドを買うならば、2016年初に買って、2018年の後半には売り抜けなくてはなりません。その投資判断は全て自己責任で行う必要があり、「出来る」と自信を持っている人以外は手出し無用なのです。

ちなみに、ハイテクバブルが発生したから、上記の銘柄は大きく儲かった時期が来たのでありますが、バブルが起きずに、逆にハイテク株が値下がりしていたら、目も当てられません。

コストだけ搾り取られた挙句に、超絶な低コストのインデックスファンド以下になるなのですから、全くイケてない投資という事になりますね。

つまり、何が当たるか分からないし、当たったとしても売り抜ける術を身に付けていなくてはならないのが、アクティブファンドを使った投資なのです。

そんな事はほとんど不可能なので、だったらコストなど極限まで削減したインデックスファンドを使って、長期で徹底的に国際分散投資をしてやって、世界経済の成長分だけ、自分もリターンを頂いていきましょうという、インデックス投資に行き着くのです。

なお、インデックス投資が金科玉条であるという意味ではありません。インデックス投資は老若男女問わず、あるいは頭の良し悪しにほとんど影響されず、実行していればほぼほぼ他人と運用成績が大きく変わらない唯一の投資手法だと考えています。

その点のメリットは他の投資手法よりも大きいため、極めて退屈な投資法であり、一時的に大きく儲ける事ができる可能性を自ら捨て去るといったデメリットもありながらも、当サイトとしてお勧めできると判断しています。

また、野村ACI先進医療インパクトBについては、合計で4種類のファンドがあり、今回はそのうちどれを指しているのか分からなかった点、それと、設定されたばかりの新しすぎるファンドであり、「運用実績の無いものを何を信用して買えば良いんですか?」という観点から、具体的に評価する事を省略いたします。


リターンよりもリスクを重視しましょう

以上のように、リターンに着目してアクティブファンドへの投資は行わない方が無難であると書いてきました。しかし、実は投資で重要なのは、リターンよりもむしろリスクです。

分かりやすい例で言うと、投資は車の運転と同じです。リターンはアクセル、リスクはブレーキをイメージしてください。




車の運転で、アクセルを踏み続けて高速になると、事故が起きる可能性が著しく高まります。というか、際限なくアクセルを踏んだら、確実に事故ります。

一方で、ブレーキを踏み続けて事故を起こす例は、ほとんど無いでしょう。際限なくブレーキを踏むと停止しますので、事故が起きる事は無くなります。

投資もこれと同じであり、リターンに目がくらむと、著しくリスクを取った投資になります。良い時はグンと資産は増えますが、相場が逆回転した時には同じスピードで資産があっという間に減ります。

だったら、アクセルの部分(リターン)も重視しながら、適度にブレーキを踏みながら(リスクをコントロールしながら)、安全運転をしていきましょうというのが、投資のベストに近いやり方になります。

(F1のレーシングカーでさえブレーキが付いているのですから、素人投資家がアクセルだけを踏む投資をしてはなりません。)

「安全運転」の代表的な資産が、国内債券や一部の外国債券、そして定期預金です。株価が下がる局面では債券の価格は逆に上昇することが多いので、株式ファンドだけでなく、債券ファンドも含めて分散投資を行いましょう。

そして、分散投資をする上でどのようにご自身のリスクと向き合うのかは、アセットアロケーションを作るという作業を通じて、しっかりとチェックしてください。

「若干めんどくさいな」と感じるはずですが、この作業が面倒だと言って無視するようでは、投資で利益を出すよりも大損する可能性の方がはるかに高いですし、そもそもそのような人は投資をする資格が無いというか、投資には全く向いていないでしょう。


つみたてNISAに変更しましょう

NISAは初心者向けと言ったイメージが強いかもしれませんが、意外と使いこなすのは難しいものです。どうしても、「確実に5年間で利益を出したい」とか考えてしまいますし、一度に買い付けをする機会も多いですから、先ほど申し上げたような、絶妙の売買タイミングになるような判断も、ある程度は必要になると思います。

ちなみに、我が家の妻は積み立てではない一般NISAを利用しておりますが、ここでは値上がり益ではなくて、ETFという上場投資信託を買って、そこからの分配金にかかる税金を無税にすると言うやり方をしています。これについては、当サイト管理人の投資成績のページを参考にして下さい。

ただし、ETFの買い付けにはある程度のタイミングを図る必要がある事は間違いありませんので、投資の素人を自認しているのであれば、やはりつみたてNISAに変更するほうが断然良いと思います。

投資というのは長い時間をかけてじっくりと増やしてゆくもので、今から老後までの短い時間で稼いでやろうと考えるのは、市場(相場)の事を無視した極めて自己中心的な考えです。

アクティブファンドのようなもので短期間に稼げる能力を持った人は別でしょうが、ごく普通の人ならば、そのような強欲さを捨てて、淡々と投資をしてゆくのが良いと思います。

5年間では損する確率も高いですが、つみたてNISAのように20年程度の期間をかけて投資をする場合は、ほぼ、損を出す事は無い可能性の方が高いです。

(車の運転と同じで、いくら低速走行していても動いている限りは事故が起きるかもしれないのと同じように、投資においても安全に配慮をしていても、絶対確実に利益を出せるという保証はありませんので、その点はそのように認識しておいてください。)

という事で、野村證券の担当者に連絡して、NISAからつみたてNISAに変更してもらいましょう。野村證券のつみたてNISAのラインナップについては、野村證券の評価ページに記載しておりますから、参考にしてください。

あるいは、野村證券以外の金融機関、当サイト管理人ならば楽天証券SBI証券を推奨しますが、そこでつみたてNISAの口座開設を行っても良いでしょう。

この場合、まずは野村證券でNISA口座の解約を申し出てください。解約された旨の通知書が届きますので、それと共に楽天証券などに口座開設を行って、その後につみたてNISA口座の申請を出す事になります。野村證券から送られてきた解約の通知書もその際に必要になりますから、保管しておいてください。

つみたてNISAは株式ファンドのみであり、バランスファンドを用いずに株式と債券の両方に投資する場合は、株式ファンドのみつみたてNISAから選び、債券ファンドは普通の証券口座で積み立て投資をする事になります。

以上、駆け足で説明してきました。恐らく1度読んだくらいでは「???」となる部分もあろうかと思いますので、何度も読み返してみて下さい。(不明な点が多すぎる場合は、再度ご質問ください。)

そして、相場は逃げませんから、儲けようと慌てないようにして下さい。じっくりと、自分が理解できる範囲で、投資出来るように進めていきましょう。

人から何か指図されたら、お金の世界では、それは人をカモにしようという企てがある可能性も高いですから、ファイナンシャルリテラシーのアンテナをしっかりと立てて、理解できないまま突っ走らないようにして下さいね。





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