50代になって初めて投資・資産運用を行ってみたいという希望

今回は、まもなく「老後」という時期を視野に捉える50代と言う年齢におけるインデックス投資についての質問になります。退職金をもらっていきなり投資信託を大量に購入して多大な資金を溶かす人も多い中、気をつけたほうが良い年齢に差し掛かっていると言えます。

初心者はインデックスファンドとアクティブファンドの違いについてまずコチラから


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投資にはまったく縁がなかった初心者ですが、少しでも資金を運用できればと

2019年8月:ゆうき様(女性・50代)よりのご質問

54歳の女性です。現在は大学職員(退職金なし)ですが、再来年の4月までに個人事業主として委託契約になる見込みです。

投資にはまったく縁がなかった初心者です。今更遅いかもと思いつつ少しでも資金を運用できればと思い、こちらのサイトを参考にさせて頂いて組み立てを考えてみました。


■NISA(これから)

一般と積立NISAどちらにするか迷っています。現状で年間40万円以上の投資はできそうです。非課税枠が5年なので積み立てNISAより難しい印象がありますが、月10万円をニッセイ・インデックスバランスファンド(8資産均等型)に。(積み立てNISAの場合は、月33、000円の残額を「その他」に回します。


iDeCo(手続き中)

現在の勤務先では月額12、000円が上限ですが、個人事業主になれば68、000円になります。積み立てできる期間が短いので、低リスクの国内債券インデックスファンドに。やってみて、外国債券を加えるか、元本保証の定期預金型にすることも考えています。


■その他(これから)

月額5万円を以下に分散

ニッセイインデックスバランスファンド(4資産均等)
ニッセイ国内債券インデックスファンド
iFree新興国債券インデックスファンド


こちらでダウンロードしたExcelに入れて計算したところ、全体で

・先進国株式 13.3%
・日本株式  13.3%
・新興国株式 6.9%
・先進国債券 13.3%
・日本債券  29.8%
・新興国債券 9.7%
・先進国REIT 6.9%
・日本REIT  6.9%


となりました。リスク:9.05 リターン;4.16 となりました。本当はもう少しリターンが欲しいところですが、リスクはあまり増やせないと考えています。

右も左もわからない中で考えた結果ですが、アドバイスを頂ければ助かります。どうぞよろしくお願いいたします。



投資期間が短い50代


ご回答:本当に投資をする必要があるのか、更には下落した場合はどうなるのか

ゆうき様、ご質問ありがとうございました。今回はご回答するまで、かなり時間を要しました。と言いますのも、54歳という年齢でスタートする投資というものについて、なかなかイメージがつかめなかったからです。

インデックス投資は、時間をかけてじわじわと資金を増やすようなやり方になります。従って、54歳からスタートするという事は、取り崩しを開始するまでの時間がかなり短いことになり、そこまでの期間でリターンを得られるのか、正直、自信がありません。

働く期間が60歳までなのか、或いは個人事業主と言う事で65歳くらいまで、はたまた70歳前後まで働くのかによって、答えは変わってきます。

まず、60歳までと言う事ならば、無理をして投資をする事も無いのではないかと思います。特にここ数年は株価が「天井圏ではないか」と囁かれるほどに、世界的に高値の状態になっています。

株は安い時に買って高い時に売るのが大前提ですから、高値圏で買う人は、タイミングとしては相当に悪いところからスタートする事になります。

おおよそ10年ごとに景気後退を繰り返してきたという過去の例に倣うと、既に拡大期は10年を超していますので、非常に警戒も怠れない時期に差し掛かったと言えます。

しかし、今後さらに10年くらい景気が拡大するのかもしれません。要は、景気が絶好調の状態がいつまで続くのか、神のみぞ知る世界なのです。

株の天井掴み


1つだけ確実に言える事は、安値圏ではないところでスタートする事になるという事。老後に差し掛かるタイミングで、資金を減らす可能性のあるものにお金を投じて良いのか、他人様の懐の話しだからこそ、無責任な事は申せないのです。

若い人向けアドバイスならば「相場は逃げないので、株価が安値圏になるまで待てば良いです」とか、「高値圏で始めてその後に暴落が来ても、20年も投資していれば損する事は無いでしょう」などと言えますが、あと5年か10年くらいの猶予しか残されていないのが分かっていて投資を勧めるというのも、随分と無責任な話しだなと感じます。

子供の学費に例えると、分かりやすいかもしれません。10年後の大学の学費として500万円必要だと決まっていた場合、一般常識としては貯蓄か学資保険で賄うはずです。500万の用意のために、値段が半値になる可能性のある株式投資を行う人はいないでしょう。

老後の資金と言うのも、これに似ています。あと5年か10年で引退だという時期に、それを増やすために、「半値になる可能性のある」投資に資金を回すというのは、やはり正常な状態ではないと思うのです。

これが、あくまでも余裕資金と言う事ならば、投資に踏み切っても良いかもしれません。既に老後に必要な資金は十分貯めてあって、それ以外にNISAやiDeCoもやってみようという事ならば、相場に賭けるのも良いかもしれません。

また、投資期間が70歳くらいまでと言う事であれば、モーニングスターのiDeCoセミナー出席体験談のページをご覧頂くと分かる通り、15年間の投資では、過去にリターンがマイナスになった事は無いので、将来もこれと同様であると推測するならば、投資をしても良いかなと言う事になります。

ただ、とにかく無理は禁物でしょう。他のご質問者にも口を酸っぱくして申し上げているのは、投資は「捕らぬ狸の皮算用」のリターンを意識するのではなく、リスクを最重視してやってくださいと言う事

投資はリスク重視


期待リターンが4%というのは、決して低くありません。個人的には年齢的に、2%台でも全く変ではないと思います(しかも投資経験が無いという中で)。

それに対してのリスクは9%ですから、決して低くない数字です。投資信託のリスクとリターンを具体的にチェックのページをお読みください。

今回の9%は1標準偏差での値ですから、もっとリスクと向き合った場合には、2標準偏差くらいで見ておいた方が良くなります。となると×2となり、リスクは18.1%で、期待リターンの4.16%を引くと13.94%となります。

つまり暴落が起きると資産が1年で14%程度は平気で減る可能性がある事を示唆しています。リーマンショックの際は3標準偏差の世界でしたので、損益はマイナス23%になるという事ですね。

また、この数字は1年あたりですから、2標準偏差が2年連続、あるいは3年連続で発生しないとも限りません。仮に2年連続すると27.88%、3年連続すると41.82%も資産が減ります。

この程度の大きな下落となった場合でも、平穏無事で老後生活を送れるという事であれば、今回検討したアセットアロケーションは問題無いという事になります。

ここ何年も続いた好調相場のせいで、多くの人から投資に対する恐怖心が薄れていると感じます。投資には本来、非常に残酷な側面もあり、老後の資産を全て失うような人もいる世界です。

もしもどうしても投資をしてみたいとお考えの場合は、小額から少しずつ試して頂いて、例えば3年程度のスパンで少しずつ積み立て金額を増やしていって、相場による資金の増減を体感して頂くほうがよろしいかと思います。

年数が短いからと言って、駆け込み乗車のようにNISAやiDeCoに飛び乗るのは、当サイト管理人としてはお勧めできません。





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