ドルコスト平均法は、皆が言うような効果は無いのではないか?

いろいろなマネー誌やファイナンシャルプランナー、あるいはウェブサイトやブログなどで、ドルコスト平均法が推奨されるのが通例ですが、これはおかしいのではないかとのご質問がありましたので、ご回答いたしますね。

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ドルコスト平均法は「詐欺」と言われても仕方がないのではないでしょうか?

2015年7月:TS様(男性・年代不明)よりのご質問

いつも拝見して勉強させて頂いております。ドルコスト平均法について調べていたら、FPコンサルオフィスという会社のホームページで、ドルコスト平均法でよく言う複利で資産を倍にするのは難しいという記事を読みました。

「30年間、毎年5%複利」と「前半の1年が15%複利、後半の15年がマイナス5%の 複利」は、30年間の5%複利という率の平均は同じです。しかし、結果は全然違ってきます。

「30年間、毎年5%複利」で毎月5万円の積立投資をすると、投資元本1800万円は4185万円になりますが、前半の15年が15%複利、後半の15年がマイナス5%の複利」で毎月積立投資をすると、2132万円になります。これは年利1%の複利と同じ結果になります。

保険会社や証券会社のパンフレット等に「分散投資をしても1年であればバラツキがありますが、5年、10年と見ていけばバラツキは抑えられていきます」という、分散投資の効果を語る話があります。

これは”平均”の考え方です。つまり、毎年一定の利率の運用と同じにはならないということです。このことをどれだけのFPが理解しているのでしょうか。

仮に理解していながら、上記のような夢のような説明を繰り返しているとすると、”詐欺”と言われても反論できないのではないでしょうか。

このような内容なのですが、実際はいかがなものなのでしょうか?アドバイス頂ければ幸いです。ご確認何卒宜しくお願い致します。


 


ご回答:気休めであったとしても、決して詐欺だとは言えません

ドルコスト平均法は、資産を倍にするためにやるのではありません

ご質問、ありがとうございます。今回の件では、良いところにお気づきになられていると思います。ただ、冒頭の「ドルコスト平均法で資産を倍」と言う部分は、一体誰が言い出したんでしょうかね・笑?

ドルコスト平均法は気休めか詐欺か


おそらくTSさまも疑問に感じておられる、一部のご都合主義のファイナンシャルプランナーあたりが、あるいはもしかしたら、投資信託を買ってもらおうという動機の金融機関の営業担当あたりが言い出した言葉かもしれませんね。

ドルコスト平均法についての用語解説をご覧いただく通り、この手法は平均購入単価を下げる働きがあるもので、株式投資でいうところのナンピンです。

平均購入単価が下がれば、将来投資先が値上がりした時に、利益を取りやすいという期待感から、このような手法を取るという側面があるだけで、決して資産を倍にするなどというものではありません。

また、ドルコスト平均法を活用して積み立て投資をするわけですが、将来のほうが現在よりも価格が高いのが分かっているならば、積み立てなどする必要もありません。

今現在直ちに一括で資金を投入すればそのほうが利益を最大化できますから、そういう意味ではドルコスト平均法は気休めだという事はできます。

ただし、ごく一般の人がウン百万円も一括で投資できるはずもないですし、仮に持っていたとしても一括投資は心理的に非常に苦痛を感じますから、気休めであったとしてもドルコスト平均法を用いた積み立て投資をする方が、「現実的」だと言えるでしょう。



ドルコスト平均法を用いた積み立て投資は本当に儲かるのか?

今回TSさまは、「30年間、毎年5%複利」の場合と、「前半15年が15%複利、後半15半値になっても儲かる積み立て投資年がマイナス5%の複利」で比較検討していらっしゃいます。おそらくどちらも、確率的にはそのような事はあるとはいえ、非現実的なシミュレーションだと思います。

市場環境は毎年異なりますし、投資先資産クラスによっても全く異なるため、さまざまなケースが考えられるかと思います。

一体積み立て投資なんてやっていても、儲かるのか?」と疑問に感じた方は、ぜひ一度投資信託おすすめの本のページより、「半値になっても儲かる積み立て投資」をご一読ください。非常に多くの、納得できるシミュレーション結果が掲載されています。



シミュレーションをやり始めたらキリがない、とも言えます

ドルコスト平均法やら積み立て投資やら、どうしてこのような事をやるのか? (あるいはインデックス投資という言葉に置き換えても良いですね)

これは、売買タイミングを狙った投資をやって儲けようと思っても、ほとんど大半の人(一説には7割とも8割とも言われています)が利益を出せずに負けていると言われている通り、極めて困難な事だからです。

そんな事をやって資金を減らす、もしくは負けないにしても一生かかって増えやしないならば、世界の成長にそっくり乗っかって行く選択肢のほうがが合理的です。

この場合、もちろん世界経済は年率で常に毎年5%上昇するなど有り得ません。途中にリーマンショックのような事象も起こる事でしょう。

けれども、過去の値動きの推移を見てみると、大体常に右肩上がりで上昇しているのです。定年までセゾン・バンガード・グローバルバランスファンドでOKか?のところでも書いたとおり、リーマンショック前に購入しても、大幅に利益が出ているのが現状です。

あるいは、下記は米国ダウ平均株価の超長期チャートです。35年かけて、実に18倍もの上昇になっていて、リーマンショックなどは絶好の「押し目買い」と言えるくらいです。(年率12%もの成長)

過去35年間のダウ平均株価の推移
http://ecodb.net/stock/dow.htmlより)


日経平均でも同じで、15年で2.8倍になっています。多くの人はバブルの絶頂期をなぜか起点にしますけど、そのような「特異点」に注目し過ぎなければ、長期ではじわりじわりと成長を続けているとも言えますよね。(年率1.8%成長)

過去35年間の日経平均株価の推移
http://ecodb.net/stock/nikkei.htmlより)


上記はダウと日経平均だけですが、世界中の国の株価をミックスすると、5%とかそれ以上になるだろうというのが、よく5%成長でシミュレーションする時の根拠だと思います。

投資の世界では、去年までの値動きと翌年の値動きが全く違う事がよくあり、だとすると細かいシミュレーションをしても、けっこう意味が無かったりします。

そういう意味では、「前半15年が15%複利、後半15年がマイナス5%の複利」という設定などは数字のお遊びにしかならず、完全に無意味だと言えますね。

結論的な事を書かせていただきますと、世界が緩やかでも右肩上がりで成長すると考えているならば、ドルコスト平均法を用いた積み立て投資は、仮に「気休め」の側面があったとしても、決して「詐欺」だとは言い切れません。

調子の良い事を言ってボッタクリ投資信託を買わせようという魂胆が無ければ、詐欺とまでは言えないと思っています。(金融機関の営業マン、あるいは保険会社のようなところとつるんだファイナンシャルプランナーには要注意です)






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