確定拠出年金の資産配分は株式100%で良いのではないか

企業型確定拠出年金の担当になる方からのご質問をいただきましたので、管理人の考えを書かせていただきますね。


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資産配分を全て株式にしたらよいのではないでしょうか?

2015年7月:DC担当者様(男性・年代不明)よりのご質問

今年の秋から会社でDCを導入することになり、担当者になるものとして猛烈に勉強したので、資産配分や積立投資または低コストのインデックスファンドを選ぶについては理解しているつもりです。

自分でも投資信託を始めましたが、最近ブログでいろんな人の話を読んでいるうちに、分からなくなってきましたので、宜しかったら教えて下さい。

債券についてですが、株式とは反対の動きをしてディフェンシブなもので、海外債券でも利益のでるものではありません。

投資信託は、途中で大きな変動があるにせよ、数十年の期間で見ればリターンが出ているのだから、債券とほぼ同額の信託財産留保額を払うんだったら、全て資産配分を株式にしたらいいと思うのですが。投資信託以外に定期預金や社債があるのであればなおさら。


 


ご回答:おっしゃる通りなのですが、そこに「リスク許容度」を考えます

外国債券の期待リターンは日本債券クラスと同一

DC担当者様、ご質問いただきましてありがとうございます。この秋からという事ですから、今ちょうど猛勉強中なのでしょうね。

おっしゃる通り、外国債券は儲かるようなものではありません。(もちろん債券トレーダーであれば話は別で、ここでは長期投資の中の債券投資について言っています)

いくら外国債券の今現在の金利が高く見えても、それは長期的には為替レートの変動によって相殺されていきます。したがって理論的には、日本の債券クラスに投資しているのと期待リターンは同一という事になりますから、「利益の出るものではない」となりますね。

しかも、期待リターンが国内債券と同一にもかかわらず、為替変動の影響を受けることによって値動き、つまりリスクは高めなわけで、そう考えると「どうしてこんな資産クラスに資金を投入しなきゃならないのか?」と疑問を持たれるのは当然かもしれません。



しかし、じゃあ100%すべて株式に突っ込めるかというと、それは別問題

国内債券クラスも期待リターンは恐ろしく低い事を考えると、だったらすべて株式クラスに資金を投入すべきであるという考えは、一理あります。

しかしここでの大前提は、リスク許容度が高い人だけ、という点に注意が必要です。もしも価格変動を非常に負担に感じる人がいたら、投資自体の継続が危ぶまれるのです。

リスク許容度の低い人


資金1000万円をMSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(除く日本)に連動する、eMAXIS 全世界株式インデックスあたりにすべて突っ込んだとします。

その後基準価額がほとんど変動しなかったとして、何年も経過してからのちに市場が大きく動揺して、4割程度の急落が有った場合、リスク耐性の無い人が400万円の含み損失に耐えられるでしょうか?

投資のマニアであれば、「ここは資金の突っ込みどころ!」とウキウキしながら追加資金の投入をするでしょうが、一般の人は恐怖に恐れおののくことになります。

しかしここで、国内債券を半分の500万円持っていたとしたら、(リーマンショックでも価格が落ちなかった最強の安全資産がここでも同じ動きをすることが前提になりますけれども)、株式500万円が300万円に減少するだけになります。

この場合、「400万円の含み損は耐えられないけれど、200万円なら踏みとどまれる」ことも十分にありうるでしょう。

このように、期待リターンだけを考えるとそれはそれで正しい事ではあるが、リスク許容度を念頭に置くと、様々な資産クラスを個々人の考えに反映させた「アセットアロケーションを構築する必要性」が出てくるのです。

特に、今のように市場動向が絶好調の時、ほとんどの人が安全資産の大切さを忘れがちになってイケイケドンドンになります。長期の資産運用は、相場が逆回転した時のイメージも、常に持っておいたほうが良いのです。



ただし、確定拠出年金では、株式100%にするのがベター

と結論を書きましたところで、個々人のアセットアロケーションを実際にどのような口座にて運用していくかを、次に考えることになります。

確定拠出年金制度のメリットやデメリットを考えますと、確定拠出年金部分においては、株式クラス100%で資産運用するのがベターです。

確定拠出年金で期待リターンの高いものを長期で運用して、最終的に大きな利益が出ていたとしても受け取り時に優遇措置がありますから、一方的に20%強の税金を取られるだけの一般の証券口座で運用するより、はるかにメリットがあると言えます。

他方、安全資産の部分は、ほぼ確実に利益が出ると考えられる国内債券クラスにおいて、NISA口座を活用するのも一つの手です。

NISA口座は利益が出た人だけが納税を免れる仕組みとなっていて、この恩恵を絶対に逃さないというつもりならば、国内債券クラスをNISAに配置するのが良いかと思います。

(この点については、リスク許容度の高い人は、「ここも株式100%で行け!」という事になりますから、私が書いていることが常に「ふさわしい」かどうかは人によります。)

外国債券については、期待リターンが国内債券と理屈上は同一とは言え、値動きは実際には異なりますので、分散投資の一環として保有するのは間違っていません。

外国債券を確定拠出年金部分で運用するのがもったいない(金額的に余分な枠が無い)という場合は、一般の証券口座にて運用すると良いのではないでしょうか。


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