楽天バンガードファンドシリーズ・評価とまとめ

楽天バンガードファンドシリーズは、楽天証券のグループ会社である楽天投信投資顧問と、世界最大級のファンド運用会社でもある米国バンガード社の国内子会社、バンガード・インベストメンツ・ジャパンが共同で立ち上げた、低コストのインデックスファンドシリーズです。

米国バンガード社の海外ETFやインデックスファンドを、同等程度の低コストで、日本の「普通の」投資信託の仕組みを利用してストレスなく気軽に買い付けることができるようになりました。


楽天バンガードファンドシリーズ


楽天バンガードファンドシリーズの特徴は、信託報酬が国内のファンドとしては最低クラスのコストとなっている点が魅力的である他に、従来とはやや趣が異なるファンド群に、新鮮さを感じます。

楽天バンガードファンドシリーズのラインナップと、それに関するメリットやデメリットなどを総合的に評価します。買い付けの検討をしている人の参考になればと思います。

なお、同じくバンガード社のETFに投資できるファンドとして、セゾン投信とバンガードが組んで立ち上げた、セゾン・バンガード・グローバルバランスファンドセゾン資産形成の達人ファンドなども存在しますので、興味ある人は併せてリンク先をご覧ください。


(2019年7月10日更新)


 


楽天バンガードファンドシリーズの8ファンドのラインナップ

楽天バンガードファンドシリーズのラインナップと各ファンドの信託報酬、ベンチマークの一覧です。 現時点では8つのファンドラップです。ただし今後、順次本数が拡大していく可能性も大いにあり、楽しみです。

ファンド 信託報酬
(税抜)
ベンチマーク
楽天・全世界株式インデックス・ファンド(愛称:楽天・バンガード・ファンド(全世界株式)) 0.21% FTSE グローバル・オールキャップ・インデックス
楽天・全米株式インデックス・ファンド(愛称:楽天・バンガード・ファンド(全米株式)) 0.15% CRSP US トータル・マー ケット・インデックス
楽天・新興国株式インデックス・ファンド(愛称:楽天・バンガード・ファンド(新興国株式)) 0.24% FTSEエマージング・マーケッツ・オールキャップ(含む中国A株)・インデックス
楽天・米国高配当株式インデックス・ファンド(愛称:楽天・バンガード・ファンド(米国高配当株式)) 0.18% FTSEハイディビデンド・イールド・インデックス
楽天・全世界債券インデックス(為替ヘッジ)ファンド(愛称:楽天・バンガード・ファンド(全世界債券・為替ヘッジ)) 0.27% ブルームバーグ・バークレイズ・グローバル総合浮動調整インデックス(円ヘッジ)
楽天・インデックス・バランス・ファンド(愛称:楽天・バンガード・ファンド)株式重視型 0.228% 合成指数
楽天・インデックス・バランス・ファンド(愛称:楽天・バンガード・ファンド)均等型 0.24%
楽天・インデックス・バランス・ファンド(愛称:楽天・バンガード・ファンド)債券重視型 0.252%
信託財産留保額はありません)



楽天バンガードファンドシリーズの素晴らしいところ

信託報酬がかなり低いことがまず最大の魅力

米国のバンガード社が組成する海外ETFは、どれも極めて低コストである事が最大の魅力となっています。元々超低コストのバンガード社のETFやインデックスファンドを購入するるだけの投資信託ですから、楽天側の取り分を考慮しても、格段に安上がりに出来上がっています。

例えば下記は、楽天・全世界株式インデックス・ファンドの交付目論見書の信託報酬記載部分です。元々のバンガード・トータル・ワールド・ストックETF (VT)のコストが0.09%しかなく、それに対して投資信託を組成する楽天投信側がで運用管理費用0.12%(税抜)を取り、合計でも0.21%(税抜)の低コストに納まっています。

楽天・全世界株式インデックス・ファンドの信託報酬


改めて眺めても、バンガード社のETFの低コストさには目を見張りますね。楽天バンガードファンドシリーズは1つのファンドが1つの海外ETFやインデックスファンドを購入するだけのスタイルであり、ETFやインデックスファンドのそれぞれの信託報酬も以下に記載しておきます

ファンド 投資先の海外ETFやインデックスファンド 海外ETFやインデックスファンドの信託報酬(税抜)
楽天・全世界株式インデックス・ファンド バンガード・トー タル・ワールドストック・マーケット ETF(VT) 0.09%
楽天・全米株式インデックス・ファンド バンガード・トー タル・ストック・マーケット ETF(VTI) 0.03%
楽天・新興国株式インデックス・ファンド バンガード・FTSE・エマージング・マーケッツETF(VWO) 0.12%
楽天・米国高配当株式インデックス・ファンド バンガード・米国高配当株式ETF(VYM) 0.06%
楽天・全世界債券インデックス(為替ヘッジ)ファンド バンガード・グローバル・ボンド・インデックス・ファンド 0.15%


インデックス投資家にとって、ブランド価値の高いバンガード社

バンガード社と言えば、インデックス投資を世界にここまで根付かせた「大本山」のような企業であり、しかも圧倒的に低コストのETFなどを大量に組成しています。

従って、バンガードとタッグを組んでいるというだけで、何とも言えない心地よさ、安心感のようなものを感じます。インデックス投資家にとっては何か特別な意味でも持っているかのような、光り輝く「ブランド価値」があるのです。

楽天バンガードファンドシリーズに関して、一般の人やアクティブに投資をする人ではなくて、インデックス投資をする人から称賛の声がネット上で相次いでいるのは、そんなブランド価値に呼応する現象だと言って良いでしょう。

もちろん今回も、そのブランド価値を維持あるいは向上させるような仕事ぶりです。バンガード社の変わらぬ誠実な企業姿勢には、感服します。


従来とはやや毛色が異なるところが、魅力的に感じる

従来、海外に投資するファンドと言えば、例えば先進各国の株に投資する場合はMSCIコクサイインデックスをベンチマークとするするインデックスファンドを買い、新興国ならばMSCIエマージング・マーケット・インデックスをベンチマークとするインデックスファンドを買うなど、ほとんど「お決まり」の状態になっていました。

しかし、今回の楽天バンガードファンドシリーズは、旗艦ファンドに相当するファンドとして、1本で先進各国から新興国、日本までもが含まれる全世界株式ファンドをリリースしてきました。

また、先進国各国に投資するファンドの設定は行わず(後回しにするつもりかもしれません)、それに代わって全米株式や、米国の高配当株に投資するファンドを設定してきています。この部分も、インデックス投資家から見ると、「おや?」と思う訳です。

インデックスファンドはコストくらいしか差別化できる要素が無い中で、ブランド価値や投資先などの「コスト以外」の差別化要素が出てきた格好になりました。

これを戦略的にやっているのかは分かりかねますが、今までのインデックスファンドとは違った印象が強くなる事になりました。楽天投信もバンガードも、「上手い事やったな」という思いが強いですね。もちろん、素晴らしい仕事だと思います。

ただ、同じく日本を含む全世界の株式に投資できる超低コストの投資信託として、楽天・全世界株式インデックス・ファンドとベンチマークは異なりますが、より信託報酬の低いeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)(信託報酬0.142%(税抜))も登場しており、インデックスファンドの超低コスト競争はいまだ続いています。



ただし問題点もあり、闇雲に称賛するようなものではない点にも留意

参考指数との乖離が大きくなっている点

基本的にコストだけでファンドを選んでしまっても良いと思いますので、ごく普通に楽天バンガードファンドシリーズが良いなと思ったら、購入してしまっても良いでしょう。

(インデックスファンドでありおおよその運用成績が想像できるし、元になるETFが潰れる可能性が極めて低いからそのような購入行動もアリですが、マザーファンドが新設されたインデックスファンドや、アクティファンド全般は、そのような行動はNGです。念のため。)

しかし、投資のマニアとしては、多少気になる点があります。まず第一に、運用報告書を見て、参考指数とのかい離がかなり大きいなと感じた点です。(表は設定来の数値です。)

ファンド ファンドの騰落率 ベンチマークの騰落率 かい離
楽天・全世界株式インデックス・ファンド +0.2% +2.1% マイナス1.9%
楽天・全米株式インデックス・ファンド +8.5% +9.9% マイナス1.4%
楽天・新興国株式インデックス・ファンド マイナス10.1% マイナス9.1% マイナス1.0%
楽天・米国高配当株式インデックス・ファンド マイナス3.7% マイナス1.9% マイナス1.8%


インデックスファンドは、ベンチマークや参考指数に連動した成果を出さなくてはなりません。そこにコストがかかりますので、コスト分だけ、ベンチマークよりも下に乖離した成績になるのであれば、問題ありません。

しかし表の通り、現状ではインデックス(ベンチマーク)に対してかなり大きな下方かい離を起こしてしまっています。

しかも、各株式ベンチマークはいずれも配当抜き指数であり、ファンドの方は配当込みであることから、配当を全て失ったうえ、上記の表のように配当抜きベンチマークにさらに負けたリターンしか出せていないのは大いに問題です。

このまま推移してしまうとベンチマークなど有って無いかのような不思議なインデックスファンドになってしまいますから、状況の推移を見極めたいところです。


配当金に対する課税を取り戻す事ができない点がどうなるか

もう1点、税金面でも気になる事があります。もしも海外ETFに投資していたなら、配当金に対して課税される米国側の税金(税率10%)を、確定申告で取り返す事ができます。めんどくさいですが、以下の赤枠の部分は取り戻せます。

海外ETFへの課税


しかし、楽天バンガードファンドシリーズの場合、投資先の海外ETFの分配金に課税された分は、個人投資家が取り戻しに行くわけには参りません。

恐らく米国で10%課税されたままの状態で運用されると思われますので、これが今後のリターンにどのような影響があるのかは、今後の推移を見守るしかありません。


個別ファンドどうこうよりも、アセットアロケーションを考えましょう

インデックス投資を「確実なもの」にするためには、個別ファンドうんぬんよりも、一にも二にもアセットアロケーションがご自身にとってふさわしい状態かどうかが大切です。

今回の楽天バンガードファンドシリーズでは楽天・全世界株式インデックス・ファンドがとりわけ注目を集めていますが、このファンドを買う事でご自身のアセットアロケーションが「いびつ」になるようならば、全く買う意味がありません。

また、先進国のみに分散投資できるファンドが無く、米国株に投資できるファンドが2本あったところで、実際にはこれを買うのに相応しい人は、米国株に集中投資をする人だけです。

更には新興国向け投資信託もMSCIエマージング・マーケット・インデックスがベンチマークではありませんから、楽天・新興国株式インデックス・ファンドを買うと、韓国が抜け落ちてしまう事になります。信託報酬も、新興国向けでは最安ではありません。

従って、冷静に楽天バンガードファンドシリーズを見つめ直すと、やみくもに買い付けに走るのは賢明ではありません。あくまでもご自身のアセットアロケーションを実現するうえで役に立つのかどうか、そこが肝心です。



楽天バンガードファンドシリーズの販売会社

以下の証券会社にてノーロードで購入できます。

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