楽天・全米株式インデックス・ファンド(楽天VTI)のメリットデメリット

楽天・全米株式インデックス・ファンド(愛称:楽天・バンガード・ファンド(全米株式))は、CRSP US トータル・マーケット・インデックス ベンチマークとする全米株式インデックスファンドです。

楽天投信投資顧問株式会社が、米国の大手運用会社でありインデックスファンド普及の世界最大の貢献者でもあるバンガード社と提携して作り上げた、楽天バンガードファンドシリーズの第一弾になります。

楽天・全世界株式インデックス・ファンド(愛称:楽天・バンガード・ファンド(全世界株式))と共に、2017年9月29日から運用されています。

楽天・全世界株式インデックス・ファンド(愛称:楽天・バンガード・ファンド(全世界株式))


本ファンドは、バンガード・トータル・ストック・マーケットETF(VTI)1本に投資するだけというシンプルなファンドであり、楽天VTIとも呼ばれます。(⇒ETFとは

アメリカの大型株~超小型株までほぼ全てにこの1本で幅広く投資できる、米国株への投資を志向している人にとっては夢のようなインデックスファンドです。米国単体に投資できる株式ファンドとして、本ファンドは信託報酬0.15%(税抜)と最も低いことが特徴です。


(2019年5月24日更新)・・・本ページの情報の更新を希望される方は、Q&Aページより管理人までお知らせください。すぐに対応したいと思います。


 


楽天・全米株式インデックス・ファンドの基本的情報

このファンドの基本情報

項目 内容
購入単位 証券会社により異なりますが、楽天証券SBI証券など主要ネット証券では100円より購入可能。
信託報酬 年率0.15%(税抜)(=運用管理費用0.12%(税抜) +バンガード・トータル・ストック・マーケットETF(VTI)の経費率0.03%)
信託財産留保額 なし
運用期間 無期限
決算 年1回(7月15日)。2018年7月の初回決算の分配金は0円でした。
運用会社 楽天投信投資顧問株式会社
為替ヘッジ なし

「楽天・全米株式インデックス・マザーファンド」にファミリーファンド方式で投資していますが、そのマザーファンドは、バンガード・トータル・ストック・マーケットETF(VTI)に投資しています。そのため、結局はVTIにファンドオブファンズ形式で投資していることになります。

楽天・全米株式インデックス・ファンド(愛称:楽天・バンガード・ファンド(全米株式))の運用形式


このファンドのポートフォリオなど

バンガード・トータル・ストック・マーケットETF(VTI)を通じて、全米の3588銘柄に極めて広く分散投資しています。(2019年3月末時点)。業種別構成比率は以下の通りです。

楽天・全米株式インデックス・ファンド(愛称:楽天・バンガード・ファンド(全米株式)) 業種別構成比率


組入上位10銘柄の構成比率は以下の通りです。

楽天・全米株式インデックス・ファンド(愛称:楽天・バンガード・ファンド(全米株式))



楽天・全米株式インデックス・ファンド、管理人の感想と評価

バンガードのETF1本に投資するだけの低コストファンド

前項に提示した通り、本ファンドは投資対象のバンガード・トータル・ストック・マーケットETF(VTI)という、海外ETF1本に投資するだけのファンドです。

VTIは、わずか0.03%の超低コストの経費率で、アメリカの株式市場の時価総額のほぼ100%、事実上、投資可能な全ての企業に投資できます。アメリカの小型株どころか、超小型株まで入っています。

このような素晴らしい米国株ETFに、日本国内からは簡単には投資できません。従来は楽天証券SBI証券マネックス証券などで円をドルに転換して、その上でニューヨーク市場で買い付ける「海外株式」への投資、という範疇にありました。

しかし、楽天・全米株式インデックス・ファンドの登場で、そのような面倒な事から解放されて、従来の日本の投資信託同様、日本でごく普通に買い付けができるようになったのは画期的であり、10年前から投資をしている人からすると、革命的とさえ感じる凄さです


VTIの信託報酬引下げにより、信託報酬が0.16%から0.15%に引下げ

本ファンド設定時のVTIの経費率は0.04%であり、本ファンドの信託報酬は(ファンド自身の
運用管理費用(信託報酬)を0.12%(税抜)上乗せし)、トータルの信託報酬は0.16%(税抜)でした。

その後、VTIの経費率が2019年4月26日付で0.03%に引下げられましたので、本ファンドのトータルの信託報酬も自動的に0.15%(税抜)に引下げられています。

現在、「先進国株式」ファンドとして信託報酬最安の以下2ファンドには負けますが、「米国株式」インデックスファンドとしては、本ファンドのほうが信託報酬は最安です。

eMAXIS Slim 先進国株式インデックス(信託報酬0.109%)
<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド(信託報酬0.109%)


投資マニア的に気になるリターンの下方乖離

一般の人は、楽天・全米株式インデックス・ファンド(愛称:楽天・バンガード・ファンド(全米株式))を購入してしまっても構わないと思いますが、投資のマニアとしては、多少気になる点もあります。

まず第一に、初回の運用報告書を見て、ベンチマークとのかい離が少々大きいなと感じた点です。インデックスファンドは、ベンチマークや参考指数に連動した成果を出さなくてはなりません。

実際には信託報酬以外に売買コスト、保管費用等含む実質コストがかかりますので、コスト分だけ、ベンチマークよりも下に乖離した成績になるのであれば、問題ありません。

しかし以下の通り、ベンチマークに対し運用開始(2017年9月29日)から約1年7ヵ月で、1.6%もの下方かい離を起こしています。

楽天・全米株式インデックス・ファンド(愛称:楽天・バンガード・ファンド(全米株式))ファンドのリターンとベンチマークとのかい離


しかも、ベンチマークであるCRSP US トータル・マーケット・インデックスは配当抜き指数です。保有しているVTIの配当利回りは年2.1%程度なので、約1年7カ月だと、配当分は3%ほどあるはずが、その配当分を全て失った上、配当抜きベンチマークにすら1.6%も下方乖離しているのは大きな問題です。

信託報酬が年0.15%と低くても、ETFに投資する上では、インデックス運用に何か難しい面がある可能性があります。

もう1点、税金面でも気になる事があります。もしも海外ETFとしてのVTIに投資していたなら、配当金に対して課税される米国側の税金(税率10%)を、確定申告で取り返す事ができます。めんどくさいですが、以下の赤枠の部分は取り戻せるわけです。

海外ETFへの課税


しかし、楽天・全米株式インデックス・ファンドの場合、投資先のVTIの分配金に課税された分は、個人投資家が取り戻しに行くわけには参りません。

恐らく米国で10%課税されたままの状態で運用されると思われます。実際現時点での下方乖離を見ていると、この課税分もリターン低下に影響していると思われます。

海外ETFとしてのVTIに投資した場合と、日本の投資信託としての楽天・全米株式インデックス・ファンドに投資した場合を、純粋に比較してリターンを比べるのは著しく困難です。

従って、メリットとデメリットを天秤にかけた上で、どちらに投資するのが自分にとってベターな選択肢なのか、あるいはそれら以外のファンドを選ぶ方が良いと判断するのか、個人投資家がそれぞれの事情を鑑みながら決定すると良いでしょう。


楽天・全米株式インデックス・ファンドの長期的なリターンはどのくらい?

それにしても、小型株まで含むVTIという全米株式銘柄に投資すると、どの程度リターンの上乗せが期待できるのかと思い、同じくバンガード社の海外ETF、バンガード・S&P500ETF(略称はVOO)と、2001年から2017年のリターンを比較してみました。

VTIとVOOの長期的なリターンの比較


結果は、チャートが重なってしまって判別不可能になるほど、両者のリターンはほとんど同一でした。小型株効果が期待できると思ったのに、顕著な差はありませんでした。

となると今後は、前項で記したような参考指数とのかい離に着目して、日本で現在購入できるiFree S&P500インデックスと本ファンドに、どの程度のリターンの差異が生じてくるのか、見極めないといけません。

2019年5月時点で、iFree S&P500インデックスとiFree NYダウ・インデックス(共に信託報酬0.255%)を、楽天・全米株式インデックス・ファンド(愛称:楽天・バンガード・ファンド(全米株式))と比較してみたのが以下の図です。

楽天・全米株式インデックス・ファンド(愛称:楽天・バンガード・ファンド(全米株式))と米国株インデックスファンドとのリターン比較


ベンチマークが異なったものを同時に図にしているだけなので、どれが良いなどの判定をする事は出来ません。ただし、同じ米国株への投資ですから、どれも似たような値動きになるという事は分かります。

もしも長期で、これらの3つのファンドのリターンがあまり変わらないようならば、ベンチマークは異なりますが、乖離問題の無いiFree S&P500に切り替えても良いかもしれませんね。


アメリカ合衆国という1つの国だけに投資する事になる

ところで日本において、インデックス投資家にとって憧れにも近いバンガード社のファンドを、超絶低コストでストレス皆無で買い付けられて「革命的な凄い事が起きている」ように感じられはしますが、所詮は米国1国に対して投資できる低コストのインデックスファンドが1本登場しただけの話です。

良いと思っても米国株だけを買う訳にも行きませんので、国際分散投資を実行する事でリスクを分散しようと志す投資家にとっては投資のコアとはなり得ず、あくまでも米国の投資比率を高めたい人にとってのサテライト的なファンドとなるでしょう。

楽天・全米株式インデックス・ファンド


もしも本ファンドに絞って買い進めて行こうという気持ちがあるならば、それは米国への集中投資となります。確かに米国株と先進国株はかなり連動性が高いものの、完全に相関している訳ではありません。

集中投資する事によるリスクを回避できる人(ある程度売買タイミングを図れる人)、あるいはリスク許容度がかなり高めの人以外は、分散投資に徹したほうが無難と言えます。

世の中には、変に日本株に対して悲観的な人が要るのと同様、妙にアメリカに対してバラ色の未来を夢見ている人も多いです。分散投資家はそれに惑わさないようにしましょう。

資産形成の基本としては、eMAXIS Slim 先進国株式インデックス<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド(それぞれ信託報酬0.109%)のような、米国を中心としつつも先進各国に分散投資できるファンドをメインにする事をおすすめします。



楽天・全米株式インデックス・ファンドの購入先

楽天・全米株式インデックス・ファンド(愛称:楽天・バンガード・ファンド(全米株式))は販売先に無関係にノーロードです。購入できる証券会社、銀行は以下の通りです。

フィデリティ証券SBI証券楽天証券マネックス証券カブドットコム証券松井証券岡三オンライン証券立花証券ストックハウス岩井コスモ証券、GMOクリック証券、エイチ・エス証券、ソニー銀行ジャパンネット銀行、栃木銀行、静岡銀行


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