楽天・全米株式インデックス・ファンドのメリットデメリットなど解説

楽天・全米株式インデックス・ファンド(愛称:楽天・バンガード・ファンド(全米株式))は、この1本で投資可能なアメリカの大型株~小型株の全てに幅広く投資できる、米国株への投資を志向している人にとっては、夢のようなインデックスファンドです。

CRSP US トータル・マー ケット・インデックス (円換算ベース)が参考指数に設定されており、これに連動する投資成果が期待できます。

楽天・全世界株式インデックス・ファンド(愛称:楽天・バンガード・ファンド(全世界株式))


米国単体に投資できる株式ファンドとして、今までダウ平均S&P500指数に投資できるもので信託報酬が0.225%のものが存在しました(これでも安いが)。本ファンドは米国全体に投資しながらわずか信託報酬0.16%(税抜)と、圧倒的な安さを誇ります

この「破壊的」なファンドは、楽天投信投資顧問株式会社が、米国の大手運用会社でありインデックスファンド普及の世界最大の貢献者でもあるバンガード社と提携して作り上げた、楽天バンガードファンドシリーズの第一弾になります。

楽天・全世界株式インデックス・ファンド(愛称:楽天・バンガード・ファンド(全世界株式))と共に、2017年9月29日から運用が始まりました。

(2018年7月22日更新)


 


楽天・全米株式インデックス・ファンドの基本的情報

購入単位:証券会社により異なりますが、楽天証券SBI証券では100円より購入可能。
信託報酬年率0.16%税抜
信託財産留保額:なし
決算:年1回(7月15日)
資産配分比率: 楽天・全米株式インデックス・マザーファンドをマザーファンドとしてファミリーファンド方式で運用します。

楽天・全米株式インデックス・ファンド(愛称:楽天・バンガード・ファンド(全米株式))の運用形式


2017年9月末時点で、バンガード・トータル・ストック・マーケットETFを通じて、全米の3604銘柄に極めて広く分散投資をしています。業種別の比率は、以下の通りです。

楽天・全米株式インデックス・ファンド(愛称:楽天・バンガード・ファンド(全米株式))のポートフォリオ


償還日:無期限
運用:楽天投信投資顧問株式会社
為替ヘッジ:なし



楽天・全米株式インデックス・ファンド、管理人の感想と評価

バンガードのETF1本に投資するだけのファンドが凄い理由

前項に提示した通り、本ファンドは投資対象のバンガード・トー タル・ストック・マーケット ETFという海外ETF1本に投資するだけのファンドです。

このETF(略称はVTIと言います)は、わずか0.04%程度の超絶低コストの信託報酬で、アメリカの株式市場の時価総額のほぼ100%、事実上、投資可能な全ての企業に投資できます。アメリカの小型株どころか、超小型株まで入っています。

このような素晴らしい米国株ETFに、日本国内からは簡単には投資できません。従来は楽天証券SBI証券マネックス証券などで円をドルに転換して、その上でニューヨーク市場で買い付ける「海外株式」への投資、という範疇にありました。

しかし、楽天・全米株式インデックス・ファンドの登場で、そのような面倒な事から解放されて、従来の日本の投資信託同様、日本でごく普通に買い付けができるようになったのは画期的であり、10年前から投資をしている人からすると、革命的とさえ感じる凄さです


確かに、信託報酬というコストは極めて魅力的

繰り返しますが、信託報酬が税込みでわずかに0.1696%というのは、凄いの一言に尽きます。

楽天・全米株式インデックス・ファンド(愛称:楽天・バンガード・ファンド(全米株式))の信託報酬


バンガード・トー タル・ストック・マーケット ETFを直接、海外市場で買い付けた場合は、今なら0.04%程度の信託報酬で保有し続ける事ができるのですが、前述したとおり、投資が好きな人以外の一般の人の買い付けのハードルは高いです。

それを「代行」してくれるのが楽天投信投資顧問という訳で、彼らの手数料を0.12%上乗せして、現状の信託報酬が決まっています。

手数料が上乗せされてもわずか0.1696%です。現在、先進国株に投資する最安値のファンドであるeMAXIS Slim 先進国株式インデックスの信託報酬が0.189%(税抜き)で、それも驚くほど安かったのですが、それを更に下回るなど本当に驚愕です

ただし、運用が開始されて時間が経っておらず、今後1年程度経過してから実質コストもチェックしたのちに投資するのでも遅くはありません。すぐにでも買い付けたい人は買ってしまっても大きな問題はありませんが、気になる人はしばし様子見のスタンスでも良いでしょう。


投資マニア的に気になる面もある

一般の人は、以上の理由から楽天・全米株式インデックス・ファンド(愛称:楽天・バンガード・ファンド(全米株式))を購入してしまっても構わないと思いますが、投資のマニアとしては、多少気になる点もあります。

まず第一に、初月の運用報告書を見て、参考指数とのかい離が少々大きいなと感じた点です。

インデックスファンドは、ベンチマークや参考指数に連動した成果を出さなくてはなりません。そこにコストがかかりますので、コスト分だけ、ベンチマークよりも下に乖離した成績になるのであれば、問題ありません。

しかし以下の通り、インデックスに対してわずかに1か月で、0.5%もの下方かい離を起こしてしまっていて、これはずいぶんと大きい数字だなという感触を持ちます。年率換算したら6%にも達する数字で、信託報酬の安さなど吹き飛びます。

楽天・全米株式インデックス・ファンド(愛称:楽天・バンガード・ファンド(全米株式))と参考指数とのかい離


まだ運用から1か月なので何とも言えないと思いますが、もしもこの調子で推移してしまったら、CRSP US トータル・マーケット・インデックス (円換算ベース)に連動していないインデックスファンド、という妙な事になってしまいます。

従って、この点でも当面1年間くらいは様子を見ても良いかもしれません。

もう1点、税金面でも気になる事があります。もしも海外ETFとしてのVTIに投資していたなら、配当金に対して課税される米国側の税金(税率10%)を、確定申告で取り返す事ができます。めんどくさいですが、以下の赤枠の部分は取り戻せるわけです。

海外ETFへの課税


しかし、楽天・全米株式インデックス・ファンドの場合、投資先のVTIの分配金に課税された分は、個人投資家が取り戻しに行くわけには参りません。

恐らく米国で10%課税されたままの状態で運用されると思われますので、これが今後のリターンにどのような影響があるのかは、今後の推移を見守るしかありません。

海外ETFとしてのVTIに投資した場合と、日本の投資信託としての楽天・全米株式インデックス・ファンドに投資した場合を、純粋に比較してリターンを比べるのは著しく困難です。

従って、今後1年程度経過したのちに、メリットとデメリットを天秤にかけた上で、どちらに投資するのが自分にとってベターな選択肢なのか、あるいはそれら以外のファンドを選ぶ方が良いと判断するのか、個人投資家がそれぞれの事情を鑑みながら決定すると良いでしょう。


楽天・全米株式インデックス・ファンドの長期的なリターンはどのくらい?

それにしても、小型株まで含むVTIという全米株式銘柄に投資すると、どの程度リターンの上乗せが期待できるのかと思い、同じくバンガード社の海外ETF、バンガード・S&P500ETF(略称はVOO)と、2001年から2017年のリターンを比較してみました。

VTIとVOOの長期的なリターンの比較


結果は、チャートが重なってしまって判別不可能になるほど、両者のリターンはほとんど同一でした。小型株効果が期待できると思ったのに、顕著な差はありませんでした。

となると今後は、前項で記したような参考指数とのかい離に着目して、日本で現在購入できるiFree S&P500インデックス(信託報酬0.255%)と本ファンドに、どの程度のリターンの差異が生じてくるのか、見極めないといけません。


アメリカ合衆国という1つの国だけに投資する事になる

ところで日本において、インデックス投資家にとって憧れにも近いバンガード社のファンドを、超絶低コストでストレス皆無で買い付けられて「革命的な凄い事が起きている」ように感じられはしますが、所詮は米国1国に対して投資できる低コストのインデックスファンドが1本登場しただけの話です。

良いと思っても米国株だけを買う訳にも行きませんので、国際分散投資を実行する事でリスクを分散しようと志す投資家にとっては投資のコアとはなり得ず、あくまでも米国の投資比率を高めたい人にとってのサテライト的なファンドとなるでしょう。

楽天・全米株式インデックス・ファンド


もしも本ファンドに絞って買い進めて行こうという気持ちがあるならば、それは米国への集中投資となります。確かに米国株と先進国株はかなり連動性が高いものの、完全に相関している訳ではありません。

集中投資する事によるリスクを回避できる人(ある程度売買タイミングを図れる人)、あるいはリスク許容度がかなり高めの人以外は、分散投資に徹したほうが無難と言えます。

世の中には、変に日本株に対して悲観的な人が要るのと同様、妙にアメリカに対してバラ色の未来を夢見ている人も多いです。分散投資家はそれに惑わさないようにしましょう。

eMAXIS Slim 先進国株式インデックス<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド(それぞれ信託報酬0.189%)のような、米国を中心としつつも先進各国に分散投資できるファンドをメインにする事をおすすめします。



楽天・全米株式インデックス・ファンドの購入先

楽天・全米株式インデックス・ファンド(愛称:楽天・バンガード・ファンド(全米株式))をノーロードで購入できる証券会社、銀行は、以下の通りです。

フィデリティ証券SBI証券楽天証券マネックス証券カブドットコム証券松井証券岡三オンライン証券立花証券ストックハウス、GMOクリック証券、エイチ・エス証券、ソニー銀行ジャパンネット銀行、栃木銀行

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