楽天・全世界株式インデックス・ファンドのメリットデメリットなど解説

楽天・全世界株式インデックス・ファンド(愛称:楽天・バンガード・ファンド(全世界株式))は、これ1本で日本を含む先進国や新興国に対して幅広く投資できるインデックスファンドです。

FTSE グローバル・オールキャップ・インデックス(円換算ベース)が、参考指数に設定されており、これに連動する投資成果が期待できます。

楽天・全世界株式インデックス・ファンド(愛称:楽天・バンガード・ファンド(全世界株式))


これ1本で全世界の株式に投資でき、人によっては株式への投資は本ファンドだけで他は不要とさえ感じられる投資信託であるにもかかわらず、信託報酬がわずか0.21%(税抜き)と極めて低廉であり、高く評価できます。

なお本ファンドは、楽天投信投資顧問株式会社が、米国の大手運用会社でありインデックスファンド普及の世界最大の貢献者でもあるバンガード社と提携して作り上げた、楽天バンガードファンドシリーズの第一弾になります。

楽天・全米株式インデックス・ファンド(愛称:楽天・バンガード・ファンド(全米株式))と共に、2017年9月29日から運用が始まりました。2019年2月26日には信託報酬が引き下げられて、税抜きで0.21%程度と、更に超低コストとなりました。


(2019年3月11日更新)・・・本ページの情報の更新を希望される方は、Q&Aページより管理人までお知らせください。すぐに対応したいと思います。



 


楽天・全世界株式インデックス・ファンドの基本的情報

このファンドの基本情報

項目 内容
購入単位 証券会社により異なりますが、楽天証券SBI証券など主要ネット証券では100円より購入可能。
信託報酬 年率0.21%程度(税抜き)
信託財産留保額 なし
運用期間 無期限
決算 年1回(7月15日)
運用会社 楽天投信投資顧問株式会社
為替ヘッジ なし

楽天・全世界株式インデックス・マザーファンドをマザーファンドとしてファミリーファンド方式で運用します。ただし、海外ETFを買い付けるだけなので、実質的にはファンドオブファンズ形式であるとも言えます。

楽天・全世界株式インデックス・ファンド(愛称:楽天・バンガード・ファンド(全世界株式))の運用形式


このファンドのポートフォリオなど

2017年9月末時点で、バンガード・トータル・ワールド・ストックETFを通じて、全世界の7934銘柄に極めて広く分散投資をしています。業種別と国別の比率は、以下の通りです。

楽天・全世界株式インデックス・ファンド(愛称:楽天・バンガード・ファンド(全世界株式))のポートフォリオ



楽天・全世界株式インデックス・ファンド、管理人の感想と評価

バンガードのETF1本に投資するだけのファンドが凄い理由

前項に提示した通り、本ファンドは投資対象のバンガード・トータル・ワールド・ストックETFという海外ETF1本に投資するだけのファンドです。

投資に詳しくない大多数の人はご存じないでしょうが、このバンガード・トータル・ワールド・ストックETF(略称はVTと言います)は、インデックス投資家のほとんど全てが高く評価しているETFで、今までは日本市場で直接買い付ける事ができませんでした。

従来は楽天証券SBI証券マネックス証券などで円をドルに転換して、その上でニューヨーク市場で買い付ける「海外株式」への投資、という範疇にありました。

参考「投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 2014」においてもVTは2位を獲得


しかし、楽天・全世界株式インデックス・ファンドの登場で、そのような面倒な事から解放されて、従来の日本の投資信託同様、日本でごく普通に買い付けができるようになったのは画期的であり、10年前から投資をしている人からすると、革命的とさえ感じる凄さです


米国を中心にした全世界の株式に投資できる

資産配分は、以下のようになります(2017年9月末時点)。本ファンドの参考指数と同様に全世界の株式に投資する際の指標となる、MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(ACWI)同様、米国が投資比率の半分を占めます。

楽天・全世界株式インデックス・ファンドの投資先の国別の比率


もう少々大きな地域割りで見てみると、以下の通りです。こちらは2014年時点での地域割りになります。地球上で投資可能な、ほぼ全てのエリアをカバーする事ができます。

・北米:52.9%
・欧州:24.5%
・太平洋:13.9%
・新興国:8.5%
・中東:0.2%



この資産配分比率にて、大型株だけでなく、全世界の中型株から小型株を網羅しており、一般の投資家が株式を通じて世界中に投資したいという願望を持っていたとしたら、本ファンドを買いつけるだけで全てが事足りるといっても過言ではありません。

もしも米国への投資比率が高すぎると感じた場合は、日本や欧州、あるいは新興国向けの個別のインデックスファンドを購入するなどすれば良いでしょう。あるいはサテライト的に、おすすめのアクティファンドを少量買い付けるのも、楽しいかもしれません。


2月26日付で信託報酬引き下げ、0.21%程度となりました

上記のように素晴らしいファンドであるにもかかわらず、信託報酬が税込みでわずかに0.21%(税抜き)というのも、凄いの一言に尽きます。

楽天・全世界株式インデックス・ファンドの信託報酬


(上記では、信託報酬が0.22%程度となっていますが、目論見書の記述が信託報酬引き下げを反映していないからです。実際はバンガードの取り分が0.01%下がって0.09%となる事で、投資信託全体の信託報酬が0.21%程度と変更になっています。)

バンガード・トータル・ワールド・ストックETFを直接、海外市場で買い付けた場合は、今なら0.1%強の信託報酬で保有し続ける事ができるのですが、前述したとおり、投資が好きな人以外は一般の人の買い付けのハードルは高いです。

それを「代行」してくれるのが楽天投信投資顧問という訳で、彼らの手数料を0.12%上乗せして、現状の信託報酬が決まっています。

手数料が上乗せされてたかだか0.21%である訳で、数年前の個別のインデックスファンドよりも半額以下のレベルです。十分に低コストであると判断できますので、この点も高く評価できます

実質コストについても、2017年9月29日~2018年7月17日のほぼ1年間において、税込みで0.3%でしたので、納得できるコストレベルだと思います。


 


参考指数との大きな乖離は問題

一般の人は、以上の理由から楽天・全世界株式インデックス・ファンド(愛称:楽天・バンガード・ファンド(全世界株式))を購入してしまっても構わないと思いますが、投資のマニアとしては、多少気になる点もあります。

まず第一に気になるのは、参考指数と現実の運用成績のかい離がかなり大きいなと感じた点です。インデックスファンドは、ベンチマークや参考指数に連動した成果を出さなくてはなりません。そこにコストがかかりますので、コスト分だけ、ベンチマークよりも下に乖離した成績になるのであれば、問題ありません。

しかしご覧の通り、インデックスに対してわずか1年で、1.4%もの下方かい離を起こしてしまっていて、これはずいぶんと大きい数字だなという感触を持ちます

指数は配当落ち(配当を含まないという意味)で、それに対して実際の基準価額は配当を含んでいるというアンフェアな比較で1.4%もの「大敗」を喫している訳ですから、これはマニアとしては大いに問題だと言えます。

楽天・全世界株式インデックス・ファンドの参考指数と運用成績の乖離


もしもこの調子で推移してしまったら、FTSE グローバル・オールキャップ・インデックス(円換算ベース)に連動していないインデックスファンド、という妙な事になってしまいます。指数との乖離が気になる人は、別の投資信託を選ぶ事になるでしょう。


税金面での不利がある点も気になる

もう1点、税金面でも気になる事があります。もしも海外ETFとしてのVTに投資していたなら、配当金に対して課税される米国側の税金(税率10%)を、確定申告で取り返す事ができます。めんどくさいですが、以下の赤枠の部分は取り戻せるわけです。

海外ETFへの課税


しかし、楽天・全世界株式インデックス・ファンドの場合、投資先のVTの分配金に課税された分は、個人投資家が取り戻しに行くわけには参りません。

米国で10%課税されたままの状態で運用されますから、上の項で基準価額が参考指数よりもリターンに劣る要因は、この税金面での不利が影響している可能性もあります。

海外ETFとしてのVTに投資した場合と、日本の投資信託としての楽天・全世界株式インデックス・ファンドに投資した場合を、純粋に比較してリターンを比べるのは、著しく困難です。

従って、今後1年程度経過したのちに、メリットとデメリットを天秤にかけた上で、どちらに投資するのが自分にとってベターな選択肢なのか、あるいはそれら以外のファンドを選ぶ方が良いと判断するのか、個人投資家がそれぞれの事情を鑑みながら決定すると良いでしょう。


楽天・全世界株式インデックス・ファンド以外の選択肢はあるか?

日本や新興国を含む全世界の株式に対して、たった1本で投資が完了してしまうインデックスファンドは、本ファンド以外にも以下の2本が有力な検討対象になります。それぞれ運用開始から間もないため、本ファンド同様に、様子を見てから投資をするスタンスでも構いません。

項目 信託報酬 内容
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) 0.142% MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス(配当込み)
SBI・全世界株式インデックス・ファンド(愛称:雪だるま(全世界株式)) 0.142% FTSE グローバル・オールキャップ・インデックス


ただし、eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)に関しては完全なファミリーファンド方式の投資信託であり、SBIや楽天のように、ファンドオブファンズ形式かそれに準ずる方式ではありません。

ベンチマークとの乖離問題はeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)には発生しない可能性が極めて強いですから、コスト面も考慮に入れて、新規に買い付ける場合はeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)にしたほうが良いでしょう。

ベンチマークが3つとも異なりますので、一概には比較できませんが、どれも全世界株式インデックスファンドですから、値動きの傾向はどれも同じです。

全世界に投資できる投資信託のリターン比較


たまたま、eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)のリターンがわずかながら良く出ているのは、ベンチマークの違いという事ではなくて、もしかしたらコストの差や、ベンチマークとの乖離の問題から生じているのかもしれません。

下の図は、eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)と同じ、MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックスをベンチマークとするインデックスファンド、全世界株式インデックス・ファンド(信託報酬0.48%)とのリターン比較です。

楽天全世界株式インデックスファンドと、全世界株式インデックスファンドとのリターン比較


全世界株式インデックス・ファンドのほうがコストが高いのにリターンが良好なのは、ベンチマークの違いに加えて、やはりベンチマークとの乖離の問題に要因があるような気がしてきてしまいますね。(ここは、検証のしようが無いので、完全に勝手な憶測で書いています)


つみたてNISAの有力な選択肢にもなる

と、以上のように様々な観点から楽天・全世界株式インデックス・ファンドを見てきた訳ですが、大変大きなメリットを投資家にもたらしたこと自体は、疑いようはありません。

嬉しいことに、2018年から開始される強力な非課税投資制度であるつみたてNISAの対象ファンドにも選定されています。いちいち個別のインデックスファンドを組み合わせるのが面倒だという事であれば、本ファンド1本に絞ってしまっても良いと思います。

私は投資が趣味なので、様々なファンドに投資して楽しんでしまいますが、家族から「これを買いたい」と相談されたとしたら、まだ20代30代くらいの年齢ならば、「OK!今後一生涯積み立てしなさい。」と返すかもしれません。

ただし、繰り返しになりますが、今であれば更に低コストでベンチマークとの乖離の問題の無い、eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)を推すでしょう。

本ファンドが登場した当時は、楽天バンガードをおすすめのインデックスファンドに追加しようと思っていましたが、現時点ではお勧めとまでは言えません。

金融機関が店頭で推奨して来る変なボッタクリ投資信託よりは比較にならないくらい良質な投資信託ではあるものの、「他の方が更に若干良いしな」となりますね。



楽天・全世界株式インデックス・ファンドの購入先

楽天・全世界株式インデックス・ファンド(愛称:楽天・バンガード・ファンド(全世界株式))をノーロードで購入できる証券会社・銀行は、以下の通りです。

SBI証券楽天証券マネックス証券、エイチ・エス証券


あわせて、 管理人神推しの証券口座のページ を証券会社選びにお役立て下さい。
管理人的には、ポイント利用でコストを徹底的に削減する効果のある、SBI証券楽天証券の利用がベストだと思います。(どちらでもお好みのところを利用ください。)


 


★この記事が参考になりましたら、ブックマークもしくはシェアをお願いいたします

ページトップへ戻る