新光 US-REITオープン(愛称:ゼウス)・・・詐欺レベルの分配金の酷さ

新光 US-REITオープン(愛称:ゼウス)は、三菱UFJ銀行や全国各地の金融機関や証券会社などで盛んに売られた投資信託で、米国のREIT(不動産投資信託)へ投資する事によって、比較的高い配当収入を獲得する事が目的の手数料有料のアクティブファンドです。

2004年に販売されてから2010年までの6年間は全く売れなかったのに、2010年以降に突然火を噴いたかのように売れ出して、2016年の夏には毎月分配型だけで1兆6000億円まで純資産が膨らんだという、化け物のような投資信託です。

もちろん、市井の投資家たちが、このファンドが良質な商品だから人気が殺到した訳ではなく、金融機関にとって売れば売るほど儲かるから売りまくっただけの話しです。当サイト管理人も、以前に三菱UFJ銀行に投資信託の相談に行った時にこのファンドを推奨されています。

新光 US-REITオープン(愛称:ゼウス)

ファンド名称 純資産総額
新光 US-REITオープン(愛称:ゼウス) 6018億円
新光 US-REITオープン(年1回決算型)『愛称:ゼウスII(年1回決算型)』 39億円


金融機関が売りまくったのは、見せかけの分配金利回りが異様に高く、不勉強な個人投資家を軽く騙す事が出来たからでしょう。まさに「情弱ホイホイ」の典型的な商品と言えます。

金融庁が激怒して、一時期よりも毎月分配型投資信託の販売が大人しくなったものの、新光 US-REITオープン(愛称:ゼウス)の分配金は相変わらずの、猛烈なタコ足分配です。

当然、このような投資信託を使って分配金を得るなど愚の骨頂であり、ファンドの保有者は解約の検討を、そして購入を考えている人は、もっとマトモな商品を買うべきでしょう。


(2019年3月29日追加)・・・本ページの情報の更新を希望される方は、Q&Aページより管理人までお知らせください。すぐに対応したいと思います。


 


新光 US-REITオープン(愛称:ゼウス)の基本的情報

このファンドの基本情報

項目 内容
販売手数料 3.0%(ノーロード投資信託ではありません)
信託報酬 年率1.53%(税抜)
信託財産留保額 0.1%
運用期間 ゼウス:2024年9月30日まで(2004年9月30日設定)
ゼウスⅡ:2028年9月5日まで(2013年10月31日設定)
決算 ゼウス:毎月5日、ゼウスⅡ:9月5日
運用会社 アセットマネジメントone株式会社
販売 楽天証券フィデリティ証券SBI証券などのネット証券のほか、三菱UFJ銀行などの全国の主要銀行や証券会社で販売。いずれも手数料は3.0%です。


ファンド運用は、ファンドオブファンズ形式となっています。

新光 US-REITオープン(愛称:ゼウス)のファンド運用方式


このファンドのポートフォリオ

2019年3月5日時点のポートフォリオは以下の通りです。業種別としては、かなり均等に分散して投資している印象です。

新光 US-REITオープン(愛称:ゼウス)の投資先REITのポートフォリオ


投資先銘柄は、以下の通りです。株と違って、銘柄名を見てもよく分からないですね。

新光 US-REITオープン(愛称:ゼウス)の組み入れ上位10銘柄



新光 US-REITオープン(愛称:ゼウス)、管理人の感想と評価

ボロカスに酷い運用成績を見るだけで、投資不適との判断

まず、アクティブファンドとしての実力を見るためには、運用目標に相当する指標との対比を確認する事が重要です。アクティブファンドは、それに打ち勝つ成果を出さないと、高い金を支払った意味が有りませんので。

下記は、運用報告書に記載のデータです。けしからんことに毎月分配型では設定来の記録が見れないようになっていますので、ここでは新光 US-REITオープン(年1回決算型)『愛称:ゼウスII(年1回決算型)』でチェックします。

5年間の成績ですが、基準価額が設定来で153%の伸長になっているのに対して、参考指数である「FTSE NAREIT All Equity REITsインデックス(配当込み・円換算)」は172%の伸びを示しています。

新光 US-REITオープン(愛称:ゼウス)の基準価額と参考指数とのリターン比較


つまりこれは、ファンドの成績は5年間で20%も下回るという意味であり、極めて成績の悪いアクティブファンドだと断定できます。

毎月分配型に関しても、おおよそでは確認する事が出来ます。分配金込みの基準価額はおおよそ20000円で、設定来で2倍になっています。

新光 US-REITオープン(愛称:ゼウス)の基準価額や純資産総額の推移


これに対する参考指数は、月報で見ると恐らくドルベースで表示されていて、全く比較できないようになっています。ただ、たまたまドル円相場が設定時の2004年と、現在の相場がぴたりと一致する110円となっています。

従って、参考指数を円換算したとしても、2004年当時に6000ポイントで現在も18000ポイントのままで良いという事になり、その場合は3倍の伸長になります。
FTSE NAREIT All Equity REITsインデックス(配当込み・円換算)の推移


という事は、設定来の15年間で、かなりの差がついている事になります。参考指数との対比においては、全く投資に値し無いファンドである事は明白です。


 


猛烈なタコ足分配は笑ってしまうレベルに酷い

この投資信託で、更に酷いのが分配金の出し方です。これも、運用報告書に記載してあります。以下をご覧頂くと、投資している人は仰天するはずです。

赤枠が、投資先のREITからの配当収益です。それに対して青線の25円が、毎月の分配金です。半年間の150円の分配金に対して、たったの17%しか配当収益でカバーできていないことが示されています。

という事は、何も無いところから金が湧いて出る訳ではありませんから、投資元本を削って、つまりタコ足分配をしてあなたに分配金を支払っている事になります。

これを元本払戻金と言い、もちろん利益でもなんでもないですから、税金は差し引かれませんが、金融機関の信託報酬はきっちりと抜き取られた上で払い戻されます。

こんな事は、まるで詐欺まがいだと言って良いでしょう。これを知った上で平気で一般人にこのような投資信託を売りつけるのですから、もしも江戸時代の大岡越前が生きていたら、金融関係者は最低でも江戸所払いの刑に処されるのではないでしょうか。

新光 US-REITオープン(愛称:ゼウス)の分配原資の内訳


念のために分配金利回りをチェックすると、なんと12%近くもあります。2017年には23%近くもあった訳で、世の中にこんなにも高い利回りの商品が有ったとしたら、それは絶対確実に詐欺と言えます。

そんな詐欺商品と同様の利回りの数字が表示される商品など、見た瞬間に「信用してはならない」と直感しなければ、ファイナンシャルリテラシーが著しく低いと考えて良いでしょう。

新光 US-REITオープン(愛称:ゼウス)の分配金利回りの推移


実際、月報においては、新光 US-REITオープンの投資先からの配当利回りは3.4%だと確認できます。3.4%を受け取りながら12%近く分配しているのですから、元本払戻金のタコ足分配まみれになるのも頷けます。

新光 US-REITオープン(愛称:ゼウス)の投資先リートからの配当利回り


新光 US-REITオープンには、他社には記載されていないような、大変面白いデータも記されていました。これはぜひ、全ての投資家に見て欲しいなと思います。

以下、赤枠はあなたに支払われた分配金です。一番上の段の数字は設定来の分配金額の合計で、11023円を支払ったと出ています。

これに対して青枠のインカム収入は、たったの4156円だと「白状」しています。つまり、配当益の倍以上も、無理やり不誠実な分配を繰り返していた事が一目瞭然です。

新光 US-REITオープン(愛称:ゼウス)の収益と費用の内訳


インカムゲインが少なくても、売買益でカバー出来れば問題ありません。しかし、緑枠のキャピタルゲインを見ると、設定来で368円しかない事が分かります。デイトレーダーみたいな事をやっても、いかに稼げないのかプロが証明しているような数字ですね。

更に、紫枠を見て下さい。信託報酬として、設定来で1478円も取られている事が示されています。なんと、インカム収入の28%以上もの多大な金額を、コストとして金融機関が抜き取っている訳です。

これは、いかに低コストの投資信託を選ぶ必要があるのかを如実に示しています。「たった1.5%程度の信託報酬」と誤魔化される思いですが、実はこれはとんでもなく大きい数字なのです。

新光 US-REITオープンの信託報酬の1.53%も、10年間運用したら投資元本の15.3%がコストとして失われる事になります。参考指数のような運用指標にリターンが負けるのは、このコストが大きすぎるのも要因なのです。

このファンドには、購入手数料として更に3.0%を抜き取られる事も忘れてはなりません。「投資信託選びはコスト選び」という側面は非常に大きいです。次の項で代替え案を提示しますので、新光 US-REITオープンなど止めて、良心的な商品選びを心掛けましょう。


リートから分配金を得るための、他の選択肢

新光 US-REITオープンには投資価値の欠片もありませんので、海外のリートファンドを使って分配金を獲得したい場合は、当サイト管理人であれば、下記の新光 US-REITオープン(愛称:ゼウス)以下の3つを検討すると思います。

ファンド名 内容 ベンチマーク等 信託報酬
新光 US-REITオープン(愛称:ゼウス) 米国のリート FTSE NAREIT All Equity REITsインデックス(配当込み・円換算) 1.53%
(他に購入手数料が必要)
SMT米国REITインデックス・オープン 米国のリート S&P米国REIT指数(配当込み) 0.55%
<購入・換金手数料なし>ニッセイグローバルリートインデックス 日本を除く先進国と新興国のリート S&Pグローバルリート指数(除く日本、配当込み) 0.27%
EXE-i グローバルREITファンド 日本を含む先進国と新興国のリート S&Pグローバルリート指数 0.344%


下記が、それらを含むリターンの比較です。それぞれベンチマークが異なりますので、比較というよりは値動きの傾向のチェックとして見て下さい。EXE-i グローバルREITファンドのリターンが良いように見えますが、ベンチマークが異なるので、そういう意味ではありません。




これらを見ると、結局は同様の値動きをしている事が分かります。よく見ると、その中でも日本を含む先進国と新興国まで最も幅広く分散投資ができているEXE-i グローバルREITファンドが、最も価格のブレが小さいなと判断が付きます。

ここには掲載しませんが、実際に値動きを表す標準偏差(=リスク)の数値は、EXE-i グローバルREITファンドが最も小さくなっており、より安定的だと言えます。であれば、これを使って資産運用をすれば宜しいのではないかと思います。

ただし、代替え案として提示した投資信託は全て分配金を再投資するタイプのインデックスファンドであり、毎月分配型はありません。(インデックスファンドで十分なリターンなので、余計にゼウスのようなアクティブファンドを使う意味が無い事も分かりますね。)

この場合、それらををSBI証券で買って、「投資信託定期売却サービス」を利用すれば、自分で毎月の「分配額」を決めての、自作の毎月分配型投資信託ができあがります。

ご自身で解約の量を設定する事が出来ますので、配当利回りの範囲内で定期売却をすれば、新光 US-REITオープン(愛称:ゼウス)のように基準価額がどんどんと下落する事は避けられ、それこそ安定的に毎月の収益を得られることになります。

なお、実際に当サイト管理人が投資をしている、分配金目当ての投資の部分に関しては、上記で挙げたような投資信託ではなくて、ETFを買い付けしています。これについては、管理人の投資しているもののページをご覧ください。



当サイト管理人が保有する、新光 US-REITオープンのタコ足分配の実態

最後に、もう一度、このファンドの余りにも酷すぎる分配金の実態をお見せしましょう。当サイト管理人は、新光 US-REITオープン(愛称:ゼウス)の実態をあからさまにするために、最低限度の投資をしています。(それだけの目的で買っています)

そして、2015年10月20日の買い付け以降、2019年3月5日時点までの、普通分配金と元本払戻金の合計金額をお見せしましょう。買い付けた金額は、こんなボッタクリ商品に大金を支払う訳には行きませんから、1万円だけです。以下、よくご覧下さい。

普通分配金 元本払戻金
合計 239円 4272円


いかがでしょうか。新光 US-REITオープン(愛称:ゼウス)がどれほど酷いのか、怒りを通り越して、エンターテインメントを見ている気分になります。

これ、今解約すると5555円になります。もしも元本払戻金を利益だと勘違いして浪費していたら、とんでもない勢いで資産が減る事になります。お金を持っていたはずなのに、貧乏人にまっしぐらになる投資信託と言え、何人も、こんな商品を相手にしてはなりません。


 


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