スマート・ファイブ(毎月決算型と1年決算型)・・・コスト以外はOKです

スマート・ファイブなる投資信託は、ゆうちょ銀行のみで販売するアクティブファンドであり、全体の相当程度を日本国債に投資しつつ、残りを海外債券、海外株式、海外リート、金(ゴールド)に投資する、バランス型の投資信託となります。

リターンを追求するよりは、リスクを一定水準以下に抑える事を目標としており、投資を怖いものだと考えている人が「反応」してしまうような商品だと言えます。

スマート・ファイブ(毎月決算型と1年決算型)

ファンド名称 純資産総額
スマート・ファイブ(毎月決算型) 3057億円
スマート・ファイブ(年1回決算型) 377億円


品揃えとしては毎月決算型と年1回決算型の2種類があり、毎月分配型投資信託のほうが圧倒的に人気があります。設定来、順調な右肩上がりで純資産が増え、ゆうちょ銀行の利用者層に響くような商品となっているようです。


(2019年4月6日追加)・・・本ページの情報の更新を希望される方は、Q&Aページより管理人までお知らせください。すぐに対応したいと思います。


 


スマート・ファイブの基本的情報

このファンドの基本情報

項目 内容
販売手数料 2.0%(ノーロード投資信託ではありません)
信託報酬 年率1.3525%(税抜)
信託財産留保額 なし
ファンド運用方式 ファンドオブファンズ形式
運用期間 2028年4月10日まで(2013年7月16日設定)
決算 毎月8日(年1回決算型は4月8日)
運用会社 日興アセットマネジメント株式会社
販売 ゆうちょ銀行でのみ販売



スマート・ファイブ、管理人の感想と評価

資産を大きく伸ばすよりも、価格変動を少なくするのが主眼

スマート・ファイブは、以下のような5つの資産クラスである日本国債、海外債券、海外株式、海外リート、金(ゴールド)にに対して、市況を見ながら機動的に資産配分を見直しつつ、リスクを押さえて安定的に資産の成長を図ります。

スマート・ファイブ戦略につていて


その意味では、同じくゆうちょ銀行が率先して販売している東京海上・円資産バランスファンド(愛称:円奏会)とかなり似ていますが、「円奏会」が投資のリスクを年率3%以内に抑えるという、数値を挙げて明確に「低リスク」を標榜しているのに対し、

本ファンドは「各資産の基準価額への影響度合いが、5資産の間で概ね均等になるような資産配分戦略(スマート・ファイブ戦略)を用いて、基準価額が、特定の資産から受ける影響を抑えることをめざします」という表現を用いて説明しています。

要は、「基準価額が特定の資産から受ける」タイミングとは、市場の連動性が高まるタイミングであり、それはほとんどのケースで市場の急落や暴落局面ですから、こういった時に、極力5つの資産が影響を打ち消し合うように資産配分を大きく見直すという意味になります。

もっと分かりやすく言うと、急落などの局面においては、価格が大きく落ちる可能性が大きい海外債券、海外株式、海外リート、金の比率を少なくして、安全資産の日本国債の比率を上げる、という事になります。

それにしても、究極の安全資産のような言われ方をする金を、相場の急落局面で大きく減らすというのは何とも皮肉です。日本人にとって、金を保有していてもリスクヘッジにならない事の証明でもあるかのうようでもあり、示唆に富んでいます・苦笑。


スマート・ファイブと「円奏会」を比べてみる

これら、ゆうちょ銀行が販売する2つの「リスク低減型」とも言えるバランス型の投資信託どうしの、リターンとリスクの比較をしてみます。

これらの値動きなどが分かりやすいように、やはりゆうちょ銀行が販売する、ごく一般的なバランスファンドであるセゾン・バンガード・グローバルバランスファンドも含めて、以下の通り示します。

スマート・ファイブとその他のバランスファンドとのリターン比較


ご覧のように、スマート・ファイブと「円奏会」は価格変動リスクが極めて少ない、すなわち値動きがマイルドである事が分かります。その中でも「円奏会」は、よりマイルドです。

赤枠で囲んだ、リスクを表す標準偏差の数値を見ると、セゾンは10%超の数値なのに対して、スマート・ファイブは4.5%、円奏会は2.3%程度となり、これらの数値は「著しくリスク回避的な性格」の人に最適な状態と言えるのではないかと思います

過去のデータではありますが、その程度のリスクで過去5年の年率換算でそれぞれ3%台のリターンを上げてきた事になり、極力リスクを避けたいタイプの人にとっては、十分すぎる投資成果を得られたのではないかと思います。

なお、リスクが低いからリターンも低いというのは資産運用の世界では至極当然の事です。スマート・ファイブを使って、リスク極小にしてでできるだけ高いリターンを挙げたいと思っても、そのような事は全く不可能ですから、勘違いはしないようにして下さい。


 


低コストのインデックスファンドを利用しても低リスク投資ができる

スマート・ファイブなる投資信託が、かなりリスク回避志向の投資家向けなのは分かりました。しかし、低リスクで低リターンの投資信託にも関わらず、そこから更に、購入手数料を2%取られ、毎年信託報酬として1.35%強も削り取られたのでは不利すぎます。

そこで、「リスクは極力避けたいけれども投資はしたい」という人向けに、2つの低リスクバランス型投資信託をご紹介したいと思います。これらは購入手数料はノーロードで無料ですし、信託報酬も僅かに0.22%です。

スマート・ファイブは10年も投資していると、投資元本に対するコストの影響が13%(手数料も入れると15%)にもなるのに対し、以下のファンドだと2.2%にしか過ぎません。やはり長期で投資を行うとなると、コストは最優先に考えたいところでもあります。

ファンド名称 購入手数料 信託報酬
三井住友・DC年金バランスゼロ(債券型)(愛称:マイパッケージZERO) なし 0.22%
三井住友・DC年金バランス30(債券重点型)(マイパッケージ) なし 0.22%


三井住友・DC年金バランス30(債券重点型)(マイパッケージ)の値動きが非常に大きいように見えてしまいますが、これはセゾンのファンドが入っていないからこのように見えるだけであり、実際に標準偏差の数値は、スマート・ファイブよりもわずかに大きくなる程度であり、ほぼ同等に近いと言えます。

スマート・ファイブと低リスクタイプのバランスファンドとのリターン比較


一方で、三井住友・DC年金バランスゼロ(債券型)(愛称:マイパッケージZERO)は、更にスマート・ファイブの半分ほどのリスク水準になり、その分、リターンもかなり落ちますから、スマート・ファイブの代替えとしては物足らない感じでしょうか。

なお、単に低リスク運用を心掛けたい場合は、スマート・ファイブのような高コストのアクティブファンドなど選ばなくても、他にもまだ選択肢があります。上で紹介した「マイパッケージ」以外にも以下のようなものがありますので、同時に検討してみて下さい。

ファンド名称 購入手数料 信託報酬
DCニッセイワールドセレクトファンド(債券重視型) なし 0.18%
たわらノーロード バランス(堅実型) なし 0.22%





毎月の分配金の出し方は正常

毎月決算型を検討する場合は、その分配金がタコ足分配になっていないかどうかをチェックする事も必須です。スマート・ファイブ(毎月決算型)については、運用報告書で確認すると毎月の配当収益(赤枠)で分配金(青線)を完全にカバーできており、正常です。

スマート・ファイブ(毎月決算型)の分配原資の内訳


同じゆうちょ銀行の販売の東京海上・円資産バランスファンド(円奏会)の毎月決算型の分配金が猛烈なタコ足分配となっており、分配金が元本払戻金だらけでゲスの極みだったのにし対して、対照的な結果となっています。

ファンド全体の、直近の2019年2月末時点の配当利回りが、計算すると恐らく1.38%程度だと思われるのに対して、分配金利回りは直近で4.8%ほどであり、少々数値が合いませんが、配当収益だけではなく、売買益なども「当期の収益」に入れているのかもしれません。

スマート・ファイブ(毎月決算型)の基準価額の変動要因分析


上記、ご覧のように、赤枠の分配金に対して、それぞれの投資先ファンドからの収益は青枠の通りプラスとなっており、分配を行っても、ファンドの基準価額は下落しません。

スマート・ファイブ(毎月決算型)の基準価額の推移を見ると、分配後の基準価額も一定を保っています。多くの銀行や証券会社が売りつける毎月分配型投資信託の大半は、分配されるごとに基準価額が大きく右肩下がりなので、それとは対照的ですね。

スマート・ファイブ(毎月決算型)の基準価額の推移


スマート・ファイブの毎月決算型であれ、年1回決算型であれ、全体としては、高コスト過ぎる点以外は問題点は無さそうです。既に買ってしまった人は、そのまま保有してのんびりと資産が増えるのを、あるいは適正な分配を楽しみにしていると良いでしょう。


インデックスファンドを買い付ける場合の分配対策

既にご紹介した以下の3つの低リスクタイプの投資信託は、全てインデックスファンドとなっています。インデックスファンドは無分配であるか、あるいは分配が有ったとしても年に1度である事がほとんどで、自動的に分配金が出る訳ではありません。

三井住友・DC年金バランス30(債券重点型)(マイパッケージ)
DCニッセイワールドセレクトファンド(債券重視型)
たわらノーロード バランス(堅実型)


どうしても毎月分配型投資信託が好みである場合は、これらのファンドをSBI証券で購入して、投資信託定期売却サービスを利用すると良いでしょう。

このサービスを使えば、自由に設定した金額で投資信託の取り崩しが出来ますから、自作の毎月分配型投資信託が出来てしまいます。ご自身が投資した元本を大きく割らない範囲で設定すれば、ほとんど永久にタコ足でない分配金を受け取る事が出来ます。


 


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