円サポート・・・良質ファンドではないが、ジワリと人気が出ている

円サポートは、日本を含む先進国の債券に為替ヘッジ付きで投資する、毎月分配型のアクティブファンドです。2011年2月28日に設定されました。信託報酬は0.68%(税抜き)で、ベンチマークや参考指数はありません。

特に無視しても良いようなファンドだと思っていましたが、最近、一部の地方銀行で人気があるようで、純資産残高がジワリと増加傾向です。

(2016年7月28日更新)


 


円サポートの基本的情報

・購入単位:証券会社により異なりますがSBI証券では最低500円より積み購入可能。
・信託報酬:年率0.68%(税抜)
・信託財産留保額:なし
・決算: 毎月
・資産配分比率: 日本を含む先進国の国債に分散投資するとの事ですが、現在は以下の4か国のみの51銘柄に投資しています。(2016年7月28日時点)

円サポートの投資対象国


・償還日:2021年2月10日まで
・運用:日興アセットマネジメント株式会社
・為替ヘッジ:あり


円サポート、管理人の感想と評価

ジワリと人気が出てきて、純資産残高が増加傾向

この円サポートなる投資信託、ネット証券では特に目立たぬ存在ですが、一部の地方銀行で人気が出ています。例えば京都銀行の投資信託の販売ランキングを見ると、堂々の一位です。




なお参考までに、同じ京都銀行でも、インターネット経由での販売ランキングを見ると、かなりの違いが見られます。少なくとも、円サポートなる投資信託が窓口での販売ランキング1位と言うのは、販売員がゴリゴリと推している結果と見てよさそうです




2016年は相場が大荒れで、年初に大暴落したりその後に急速に値を戻したり、かと思ったら今度は円高が進んで外貨建て資産が目減りしたりと、投資に慣れていない人は到底落ち着けない値動きになっています。

そんな中で安全資産である債券に投資して、かつ、円高に進む場合の為替リスクを排除できる「為替ヘッジ付き」の投資信託の人気が高まっているようです。

Brexitもチャイナショックも乗り越えた為替ヘッジ型ファンドに熱い視線(モーニングスター)


上記の記事では、ブレグジット(イギリスのEU離脱)などの相場暴落時において、リターンがプラスだったファンドの全てが、海外債券ものであったと記載があります。

個人投資家が繰り返し傷を負うような痛い相場が何度も続き、さらには今後円高が進みそうな気配があるという事で、販売現場にとっては、投資から逃げ出そうとしている人たちに対して、非常に強い「引き止め効果」の期待できるファンドなのではないかと想像します。


(ここ数か月で、純資産が倍増していますね)


ベンチマークが無いので、運用目標が分からない点に注意

さて、そのように人気が出始めているファンドなのですが、投資の方針はイマイチ掴めません。「投資対象国はシティ国債インデックスの構成国としますが」などと記載があるので、当然ベンチマークはシティ世界国債インデックス(円ヘッジ)だと思いきや、ベンチマーク無しです。

ベンチマークが無いと、個人投資家はそのファンドの成績が良いのか悪いのか判断が付きませんので、基本的にはそのようなファンドは選ばないようにすべきでしょう。

本ファンドは、現在はアメリカなど4か国のみへの投資なので、であればシティ世界国債インデックス(除く日本)(円ヘッジ)に投資するファンドと比較してみるのが順当です。為替ヘッジが付いていますから、野村インデックスファンド・外国債券・為替ヘッジ型(信託報酬0.55%)と、比べてみました。

過去3年間、先進各国に分散投資をするインデックスファンドをコンスタントに上回るリターンを上げているので、その点だけ見れば存在価値のあるアクティブファンドに近いと言えます。




ただし円サポートは毎月分配型ファンドなので、上記のグラフは分配金を再投資して、不必要に税金を抜かれなかったものとしての比較になります。実際に分配金を受け取ると、税金の分、投資効率が落ちますので、その点は頭に入れておく必要があります。

本ファンドはアクティブファンドなので、シティ世界国債インデックスのうち、利回りが最も高い4か国(矢印)に集中投資している形になります。この集中投資が報われた形になっています。それにしても、為替ヘッジコストがマイナスの国があるというのが面白いですね。




ところで、為替ヘッジがどれだけ効いているのか見てみたくなって、次のような比較もしてみました。SMTグローバル債券インデックスオープン(信託報酬0.50%)と、興味本位で、期待リターンが同等であると考えられる、日本国債に投資するSMT国内債券インデックス・オープン(同0.37%)です。




結果を見ると、為替リスクがとにかく好きではないという投資家にとっては、気分が良くなるような結果になっています。(同時に、日本国債に投資するファンドの想像以上の値上がりに、かなり驚きます。)


毎月の分配金は、タコ足分配気味であることも認識しよう

ここまで見ると、極めて良いファンドに思うかもしれません。しかし、大きな問題もあります。それは、毎月の分配金が、債券からの金利収入で賄えているのかと言う点です

下記は、2016年6月末時点の、分配金に対して金利収入(インカムゲイン)がどれだけあるのかが分かる資料です(月報より)。分配金が1万口当たり35円支払われるのに対して、金利収入は19円しかないことが分かります。




この傾向は運用報告書を見ても同様で、構造的に、このファンドが分配金を金利収入で賄えるようなものではないことが分かります。では残りの分配金はどこから来ているのかと言うと、キャピタルゲイン部分か、あるいは投資家の元本取り崩しかいずれかです。




円サポートは幸いにして基準価額が右肩上がりに上昇しているので、元本払戻金よりはキャピタルゲイン部分から分配金をねん出していると思われますが、はっきりした事は実際に投資して、分配金を受け取ってみないと分からないのが現状です。

毎月分配型投資信託は、投資して初めて、普通に分配されているのか元本払戻金なのかが分かるという、大変な欠陥を抱えています。本ファンドに投資している人は一度、分配金の内訳をチェックしてみるとと良いと思います。

また、キャピタルゲインがゼロ、つまり投資先の債券が値上がりしない相場になった場合は、ひたすら元本の取り崩しの分配金が積み上がるだけで、投資している意味が全く無くなりますので、その点もあわせて注意してください。


円サポートの購入先

円サポートをノーロードで購入できる銀行・証券会社は以下になります。

SBI証券楽天証券

証券口座選びに迷った場合は、 管理人神推しの証券口座のページ を参考にして下さい。
徹底的にコストにこだわるなら SBI証券 を選ぶと良いでしょう。


 


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